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「リサイクル優秀国」は幻想だった!? 「食品ロス削減の日」に知っておきたい日本のSDGsの真実

キーワード3:水〜ハンバーガー1個作るのに必要な水は3000リットル!

最後に押さえておきたいのが「水」の話です。
食料生産には大量の水が使われています。
たとえば、1キログラムのお米を栽培するのには、およそ3700リットルの水が必要です。

こうした食べ物ができるまでに必要な水を計算すると、私たちは「飲み水」の500倍の水を「食べている」ことになります。それだけ、食料生産には大量の水が使われるということです。当然、食べ物を捨てれば、それに使われた水も捨てたのと同じことになります。

ハンバーガー1個には3000リットルの水が使われているので、これを捨てると、家庭の風呂15杯分もの水を捨てていることになります。

特に水が使われる食品として代表的なものが牛肉です。1キログラムの牛肉を生産するのには、2万リットル以上もの水が必要となります。食肉用の牛を育てるためには広大な土地と大量の飼料が必要で、その管理や飼育のためにもまた水が必要となるからです。

日本は多くの食料を輸入に頼っていますから、それを捨てるということは、世界の貴重な水資源を奪っておきながら無駄にしているということになります。

* * *

食品ロスや地球環境の問題は、規模が大きく“自分ごと”と捉えるのがピンとこない人もいるかもしれません。しかし、現実は、年間食品ロス量の半数近くは家庭から出ていますし、それが気候危機やエネルギー問題と密接に関わっています。責任の一端は、確実に私たち消費者が担っているのです。
逆にいえば、法律を変えたり、何億円もかけて工場のシステムを変えたりしなくても、一人ひとりの行動や心がけが変われば改善できる問題であるともいえます。
スーパーの棚では、奥からではなく賞味期限の近いものから買う、賞味期限が切れても消費期限が残っているものは使い切るなど、できることはたくさんあります。
「食品ロス削減の日」に、あらためて、自分ができる食品ロスの減らし方について考えてみていただけたらと思います。

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井出留美

いで・るみ●食品ロス問題ジャーナリスト
奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。311食料支援で廃棄に衝撃を受け誕生日を冠した(株)office3.11設立。「食品ロス削減推進法」成立に協力した。政府・企業・国際機関・研究機関のリーダーによる世界的連合Champions12.3メンバー。
『あるものでまかなう生活』(日本経済新聞出版)、『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』(幻冬社新書)、『捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ』(あかね書房)など著書多数。
食品ロスを全国的に注目されるレベルまで引き上げたとして第二回食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018/食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞受賞。

公式サイト●http://www.office311.jp/
Twitter●@rumiide

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