2020.10.11
ポリコレな男~正しいことがあるって信じるポジティブってバカのことなんだよの話
先に言っておくけど、私は単に性格が悪いから各方面の恨みを買っているだけで、思想的には極めてまともな戦後自由民主主義を信じる、資本家の論理にはおもねず、自民党にもおもねず、順当にリベラルで順当にノット・トゥー・マッチ・左派な女なのである。
しかし最近、自分とちかしいところにいそうな比較まともであるはずの男の言葉に、バスト占いでBと答えるような思想を感じることがあって、そのたびにやはり、なんともバランスがいい、そしてなんともいけ好かない、と思わずにはいられないのだ。
男が見てほしいポイントで女がその男を選ぶとは限らない
たとえば、私の知人の、人にあまり批判されない、でもモテない男が昨年末に強制性交の罪などについて語っていた時。
「夫婦間のセックスでももちろん合意は必要」という考え方は近年ではそれほど珍しいものでない。
しかし彼が「合意がない上に酔っている相手を送り届けずに連れ込むなんて本当に人間のクズだ、夜這い時代じゃあるまいし、今の時代、たとえ恋人や夫婦であっても合意を得ないセックスは犯罪だって常識なのに」と、なんの疑いもなく、進化しそびれた前時代男を見下すように話すと、どうも正しすぎてダメな感じがする。
大体、恋人でも夫婦でも合意のセックス以外は罰せられるべき、という考えは、自分が今まで経験したセックスはどれも、完全な双方の合意のもとに執り行われた、という自負なしでは語れない。
彼が「合意を得ていないセックスをする男の気持ちなんて本当にわからないな」なんて呆れ顔で話すとき、彼の中で、今までの彼女が全員彼とのセックスに心からウィリングだったとなんの疑いもないんだろうな、と思うとどうにもイノセントに過ぎる。
女が、ことを穏便に済ますためにとりあえず突っ込ませておこうとか、抵抗するのが面倒臭いとか、セックスしときゃ機嫌なおるっしょと思って股を開いたりすることがあるということに対して、知識と経験が欠け過ぎているんじゃないか。
或いは以前とある知事の辞任で話題になったパパ活サイトなどについて、40代の大学講師である知人の言い草。
「そもそも、お金を払って付き合っているフリをしてもらったり、セックスにありついたとしても何も嬉しくないよな。それで自分がモテるなんて勘違いしてるなんておめでたいよ、自分の魅力がわかってもらえてるわけでもあるまいし」と宣う彼は、今まで自分に近寄ってきた女が、彼の千葉県にある広大な土地の実家や東大ブランドや、大学講師にはやや豪華にすぎる外車に心惹かれているかもしれない、という想像力が綺麗に抜け落ちていて、自分のことを好きな女は自分の本質や褒められたいポイントをクリアに愛してくれていると勘違いしている時点で大変におめでたい。
女が「男が見てほしいポイント」なんて全然おかまいなしに、エゴで男を選ぶことがあるなんて思いもよらないんだろうか。