2021.9.27
発明家・藤原麻里菜さんが『言わなければよかったのに日記』を読んで出会った「後悔から自由になる」言葉
前回は、橘玲さんが、三十代半ばで会社を辞めようと考えた際、人生設計への大きなヒントになった本として『となりの億万長者』を紹介してくださいました。
今回は、頭の中に浮かんだ不必要な物をつくりあげる「無駄づくり」の発明家として知られる藤原麻里菜さんに、しんどい時や行き詰まった時に読む本を紹介していただきました。
自意識に縛られない文章を書きたい
私は、相談事をするような友達があまりいないので、自分の中に「こうありたい」と思うことや、納得したいことがある時には、本を頼ることが多いです。
たとえば、20代になりたての頃、ブログをやりたいと思っていたものの、どうしてもダサい文しか書けなくて悩んだときがありました。
私の好きな作家さんが「文章を書く時には、自意識的なものから逃れて没頭して、自分がなくなる感覚が大切」ということをおっしゃっていたのですが、確かに、自意識があるまま文章を書くと、「こう見られたい自分・見せたい自分」が先行してしまいます。
当時の私の文章はまさに自意識の塊でした。その結果、書きあがったものは、難しい言葉やカッコつけた表現が並んでいて、受け取る側は「何を読まされているんだ」という気になるわけです。文章からちょっとダサさが滲みでちゃっていました。
自意識に縛られず、カッコつけた自分自身を手放して、人の心にスッと入ってくるような文章が書けるようになりたい……。
脱ダサい文の書き手を目指した私は、『文章力の基本』(阿部紘久著、日本実業出版社)など、いわゆる文章教本をいくつか読んで練習しました。そういうところは真面目です。
こうやって文章の書き方を本で勉強したことによって、ブログやエッセイがわりと書けるようになってきて、執筆の仕事もいただくようになりました。今年7月に出した『無駄なマシーンを発明しよう!〜独創性を育むはじめてのエンジニアリング』(技術評論社)は、子ども向けに工作のアイディアや方法をまとめた本ですが、伝わりやすい表現で自分の思いを伝えることができるようになったと感じています。