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翻訳家・村井理子さんが絶賛! ノンフィクション好きなら観るべき「ドキュメンタリー」3作

翻訳家・村井理子さんが絶賛! ノンフィクション好きなら観るべき「ドキュメンタリー」3作

コロナ禍で「おうち時間」が増える中、昨年から今年にかけて利用者が急増したのが、サブスク動画。Amazon PrimeやNetflix、Huluなど、多彩な動画コンテンツを楽しむことができる配信サービスです。

本特集では、エンタメをこよなく愛する「よみタイ」の執筆陣に、2021年にハマったサブスク動画を紹介していただきます。1年を締めくくる特別企画です!

前回は、エッセイストの酒井順子さんが今年ハマった韓国ドラマをご紹介くださいました。

今回ご登場いただくのは、翻訳家の村井理子さんです。日頃から忙しい執筆業や家事の合間を縫って、国内海外問わず、様々なドキュメンタリー作品を観ているという村井さん。
今年観た中から、特におすすめの3作を紹介していただきます。
これまでたくさんのノンフィクション作品の翻訳を手がけてきた村井さんの心を揺さぶった、最高のドキュメンタリー作品とは……?

(文/村井理子、構成/「よみタイ」編集部)

とことん笑わせ、泣かせ、考えさせる『徘徊 ママリン87歳の夏』

『徘徊 ママリン87歳の夏』アジアンドキュメンタリーズにて配信中
『徘徊 ママリン87歳の夏』アジアンドキュメンタリーズにて配信中

 大阪北浜に住むアッコ(酒井章子)と認知症の母(ママリン)との日々を記録したドキュメンタリー。ギャラリー兼自宅マンションはとても住みやすそうな空間で、そこだけ切り取れば仲良し親子の最高に素敵な二人暮らしなのだが、連日繰り広げられる章子さんとママリンとの丁々発止のやりとりが、このうえなく愉快、痛快、それなのに、章子さんの絶妙なツッコミとママリンのボケが、とことん泣かせてくれるのが不思議。母と娘の愛情とは、なんと複雑で、時に悲しく、そして強いものなのか。

『徘徊 ママリン87歳の夏』アジアンドキュメンタリーズにて配信中
『徘徊 ママリン87歳の夏』アジアンドキュメンタリーズにて配信中

 章子さんは覚悟を決めて母ママリンの介護に挑むが、ママリンの徘徊ははっきり言って金メダル級。家出回数は1000回を超え、徘徊時間は2000時間に迫る。一日の最長徘徊時間は15時間、最長徘徊距離は12キロ! そしてなにがすごいかというと、章子さんはママリンの徘徊のほとんどを、ママリンを見守りながら自分も歩くことで見守っているのである。大都会大阪を何も持たずにスタスタ歩き回るママリンから少し距離を取りながら、章子さんは見守り続ける。これは、簡単にできることではない。親子とは、そして介護とは。とことん笑わせ、泣かせ、考えさせる良ドキュメンタリー。

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村井理子

翻訳家、エッセイスト。1970年静岡県生まれ。琵琶湖畔に、夫、双子の息子、ラブラドール・レトリーバーのハリーとともに暮らしながら、雑誌、ウェブ、新聞などに寄稿。主な連載に「村井さんちの生活」(新潮社「Webでも考える人」)、「犬(きみ)がいるから」(亜紀書房「あき地」)。主な著書に『兄の終い』『全員悪人』(CCCメディアハウス)、『犬ニモマケズ』『犬(きみ)がいるから』『ハリー、大きな幸せ』『家族』(亜紀書房)、『村井さんちの生活』(新潮社)、 『村井さんちのぎゅうぎゅう焼き』(KADOKAWA)、『ブッシュ妄言録』(二見書房)、『更年期障害だと思ってたら重病だった話』(中央公論新社)など。主な訳書に『サカナ・レッスン』『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』『ゼロからトースターを作ってみた結果』『人間をお休みしてヤギになってみた結果』『黄金州の殺人鬼』『メイドの手帖 最低賃金でトイレを掃除し「書くこと」で自らを救ったシングルマザーの物語』『エデュケーション 大学は私の人生を変えた』『捕食者 全米を震撼させた、待ち伏せする連続殺人鬼』など。

ツイッター:@Riko_Murai
ブログ:https://rikomurai.com/

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