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「仕事よりも運転が好き」な安東弘樹アナが、100万円の使い道に「ESG投資」を選んだ理由

「仕事よりも運転が好き」な安東弘樹アナが、100万円の使い道に「ESG投資」を選んだ理由

環境負荷のない車を存分に運転してみたい!

僕は、車好きの中でも、特化して「運転」が好き。ミニカーなどにはあまり興味がなくて、とにかく車を運転していたい、できれば仕事もせずに四六時中、運転だけしていたいという、異常な運転マニアなんです。
でも、車の排気ガス等が環境に与える悪影響は明らかですから、運転するたびに環境に負荷を与えているという罪悪感がつきまといます。
だから、環境負荷が一切ない車で、罪の意識に苛まれず、心から運転を楽しむのが夢です。

そんな思いから、自動車産業と環境問題の関わりについては、できるだけ様々な情報に接するようにしています。
雑誌など車関連のメディアはもちろんですが、最近はYouTubeを見ることも多いです。
語学も歴史も、あらゆることが、YouTubeを見ればある程度は勉強できるようになっていて、便利な時代だなと思います。
電気自動車(EV)についても、たくさんのYouTuberが、それぞれのエビデンスをもとに情報発信しています。
僕は、EVに賛成、反対、中立、様々な意見に触れて、気になった情報は裏を取るように心がけていますが、よく見ているのは「EVネイティブ」さんというEVについての解説チャンネルです。
EV推進派で、論調はちょっと過激なスタイルの方なのですが、ほぼ毎日、EVについての情報を国際機関の資料などももとに発信していて、数多くある意見の一つとして参考にしています。

そうやって自分なりに情報収集をしてつくづく思うのが、日本は社会の構造や既成概念、さらに価値観を変えるのが、ものすごく苦手だということ。
例えば自動車で言えば、旧来の化石燃料を燃やすエンジンに対するこだわりのようなものがあって、電気自動車の開発や普及に努めても、EVを走らせるための電気を作るのに火力発電を使うから、結局、環境に負荷をかけてしまっている、というところからなかなか抜け出せていません。
エンジニアも、「エンジンのプロがEVのモーターを作るなんて」という職人気質なプライドがあって、産業構造自体も個人のスキルも、なかなか転換が進まないところがあるのではないでしょうか。

その点、ヨーロッパは比較的柔軟です。
例えば、スウェーデンの「ノースボルト」というバッテリーメーカーは、水力発電の電力を使った環境負荷の少ない巨大な電池工場を作って注目され、まだ実績は無いのに世界中から資金を集めています。
また、ドイツでは、ディーゼルやガソリンを専門としてきたエンジニアに、EVモーター製造やソフト開発の教育を行うといった試みが積極的に行われていると聞きます。
もちろんヨーロッパであっても全てがうまくいっているわけではなく、例えばドイツの、ある自動車メーカーではEVシフトを進める経営側と雇用の安定を求める労働組合でトラブルが起きているようですが、それでも、日本人が学ぶべきことは多いように思います。
利権や従来のやり方にしがみついて、意識を変えられない日本社会に対して危機感を覚えます。

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安東弘樹

あんどう・ひろき
1967年生まれ。1991年にTBSテレビに入社後、さまざまなテレビ、ラジオの報道やバラエティなどの番組を担当。
現在はキューブ所属のフリーアナウンサーとして活躍。
19歳の免許取得から現在までに、45台の車を乗り継ぐ経験と知識を活かし、WEB『GAZOO』など自動車関連の連載コラムを多数執筆中。
2017年より『日本カー・オブ・ザ・イヤー』の選考委員など、活躍の場を広げている。趣味は、モータースポーツ、車全般、弓道、スキー。

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