2021.4.30
4月30日は魔女が集う「ヴァルプルギスの夜」! 研究家が語るその真実と魔女の正体
魔女は時代が生んだ「スケープゴート」
そもそも、「魔女って何?」「本当にいたの?」と考える方もいるでしょう。
結論からいえば、魔女とは何かと問われても、魔女というのは時代や国によってさまざまで、魔女の定義などはできません。
ただ、16世紀から17世紀にかけて、ヨーロッパを席捲した魔女迫害によって多くの人々が魔女として命を奪われたことは史実です。
この時代は、長引く戦争、疫病の流行、飢饉などに苦しめられた悲惨な状況にありました。
そして、その原因を作ったのは、悪魔と結託した魔女だと断罪され、性別、年齢を問わず、多くの人が「魔女」として処刑されました。
それに手を貸したのは、教会や時の権力者だけでなく、一般の市民たちもでした。
魔女は間違いなく時代が生み出したスケープゴートだったのです。
そして、20世紀になると、ドイツはこの負の歴史を反省し、魔女迫害の犠牲者を鎮魂する碑を各地に建てるようになりました。
しかし、これが魔女のすべてかというと違うでしょう。
例えば、この21世紀、魔女は「可愛い」、「不思議で魅力的」、「憧れの女性」といったイメージを持たれるようになりました。そういう魔女も魔女の一つです。
このように、新しく誕生した魔女のカルチャーを楽しむのもいいことでしょう。
ただ、歴史の被害者だった魔女もいたということも、ぜひ知っていただきたいと思うのです。