2021.4.2
「人生はうまくいかないのが標準仕様ーしんどい時代に生きている君たちはむしろラッキーだ」(GO三浦崇宏)
コミュニケーションのコツは“ディスり褒め”
――今回、こうした新しい形での対談集をまとめるにあたって、印象的だったことはありますか?
対談の相手はどの方も印象的で、こうしてまとまると、あらためて読んですごく面白いと思うんです。自分の本ですけど(笑)。ネットの連載って、媒体運営や掲載期間が変わったり終わることによって、消えてしまったり書き換えられてしまったりすることもあるので、こうして「本」という形に残せてすごくよかったな、と。
あと、この本は構成の妙もあるんですよ。
二十歳のくつざわさんとの対談から始まって、若い人相手に大人気取りで意気揚々とアドバイスしちゃってる僕が、最後、重鎮の糸井重里さんとの対談では、教えていただく立場になって、こらしめられるという(笑)。
――二十歳の若者から、70代の大先輩まで、どんな人とでも話を弾ませることができる三浦さんのホスト力もすごいですね。
本業の仕事では、クライアント先の大企業の上の世代の方に「なんでこんなヤツが」と敵視されて、打ち合わせすらままならないこともあります。まあ、キャップ被ってエラそうにしてたらそうですよね(笑)。
でも、そういうのって本当に敵対しているわけではなくて、その企業や企画をいいものにしたいという思いは一緒だから。
「目的は同じですよ」「同じ方向を向いていますよ」というのをいかに伝えられるかにかかってる。だから、そこはすごく気を遣います。
本の中で糸井さんに「気を遣うジャイアン」って表現されていますけど、それは本当にそうで、できる限り気を遣って、相手に合わせるようにしますね。
あとは、相手の表面に見えていないところを褒めるとか。ディスり褒めしたり。
――ディスり褒め!?
「あんな言い方して許されるのは○○さんだけです」とか「あのやり方は最低だけど、○○さんなら気にならない」とか。
文字だけ見るとディスっているんだけど、実はこれが一番いい。特に社会的地位がある人には効きます(笑)。
――三浦さんにとっても新しい試みとなったこの本を届けたいのはどんな人たちですか。
これまで僕の本やインタビュー記事を読んでいなかったような若い女性とか、これから世に出ていく新社会人とか学生に読んでいただけるとうれしいですね。
先日も母校である早稲田大学のメディアからの取材をいただいたばかりなんですが、この本も、自分が大学生とか新社会人だった頃に言ってほしかった言葉がたくさん見られるよう、意識してまとめました。