「家に一日いる人は気楽でいいよな」

クミさん同様に「夫と口をきかないのは『自衛』」と語るのはヨウコさん（30代）。

ヨウコさんは、事務的な会話以外は一切夫と口をきかない日々を3年ほど過ごしたのち、離婚。
現在は実家に戻り、働きながら双子を育てているそうです。

「私の場合、ちょうど出産前に勤めていた会社に戻れる話が出たり、実家にいた弟が独立したり、といったタイミングがあって離婚に至りました。でも、あの時離婚できていなかったら、会話のないまま夫婦関係を続けていたかもしれません」

ヨウコさんが「自衛」のために、夫と口をきかなくなった背景には、何があったのでしょうか。

「双子を妊娠して、体調が思わしくなく、仕事への未練がありつつ退職……という経緯がありました。
それは当然夫も知っているにも関わらず、いつの間にか私が望んで家にいて、『暇な人』扱いされるようになっていったんです。
育児は私が全部やって当然。『暇でしょ』と夫の仕事に関わる準備なども頼まれることもあって、それに対して感謝もありませんでした。
私がちょっと頼みごととか話をしようとしても『自分は仕事で疲れてるアピール』で不機嫌になってイライラを隠そうともしない。ドアをバンッて閉めたり。
その態度を目の当たりにして余計に心が削られたので、自分のためにも、もう話をしない方がいいと思うようになりました」

「だから、漫画の中で、誠が美咲の疲れに気づかずに『家に一日いる人は気楽でいいよな』と言い放った場面は、当時の夫とのことが思い出されて、思わず涙が出ました。
1日家にいても、小さな子供が2人もいたら暇なわけがないじゃないですか。ちょっと目を離したら愛する我が子の命に関わる事故が起きる可能性だってある。どうしてそういうことがわからないんでしょうか。そこは今でも謎です」