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【沼田晶弘先生・新刊発売記念】子どもへのイラッにはどう対応? 反抗期ママの本音がわかる座談会

対話を始めるのに、 早いも遅いもない

Dさん:息子は今5歳で、ぬまっちと出会ったころは、「イヤイヤ期」をちょっと引きずっているかなという時期でした。

Eさん:それまでは、「イヤイヤ期」にどう対応されてましたか?

Dさん:あらためて振り返ってみると、結構、子どもの気持ちを抑え付けてしまっていたなと思います。親の都合でやってほしくないことを子どもがやったとき、「ダメ」「何考えてるの!」といったワードを使ってましたね。そうなりたくなかったのに、どうすれば言わずにすむのか、わからなかったんです。

Aさん:解決方法そのものを探そうとすると、わからなくなるよね。

Dさん:方法論はたくさんあるから。本もあるし、ネットでも探せます。でも、その方法がうちの子に合うとは限らなくて……。通用しなかったときは、「どうしてうちの子だけ」と気落ちしてしまうんです。
その点、ぬまっちは、自分のマインドを変えていくやり方を教えてくれました。マインドが変わると、自然と方法がわかるんですよ。

Bさん:「こうすればいいんだ」って、不思議と思いつくよね。

Dさん:本当にそう! 私は、子どもの立場に立って考えることができるようになりました。今まで親の都合ばかり押し付けていたことに気づいたんです。マインドが変わったことで、怒る前に、「この子はどうして、こんなことをするんだろう?」と、すごく考えるようになって。考えるだけじゃなくて、聞くようにもなりましたね。

ぬまっち:聞くと、理由を教えてくれるでしょ?

Dさん:子どもなりの理由があるんですよね。「習い事に行きたくない」と息子が言ったとき、以前なら「サボるのはダメ。行くよ!」と強引に連れていってしまっていました。それをやめて「どうして行きたくないの?」と聞いてみたんです。そしたら、「前回、先生に叱られたから」と理由を教えてくれました。理由がわかったことで、「どうして叱られたのかな?」「どうしたら褒めてもらえるかな?」と対話ができるようになったんです。

Eさん:対話するのに、年齢は関係ないんですね。

Dさん:子どもの意見や考え方を聞けるようになったことで、お互いにわかり合えるようになりましたね。気持ちにもすごく余裕ができました。

Bさん:余裕ができた、というのは、実感としてすごくわかる。

Dさん:やっぱり親として、叱らなきゃいけないときもあるじゃないですか。ただ、叱るにしても「ダメ」を押し付けるのではなくて、「どうしてダメなのか、自分で考えてみて」って、ワンクッション置けるようになりました。
5歳の子でもちゃんと考えるんです。夜、「もう寝なさい」と言っても絶対に寝ないんだけど、遅くまで起きていると次の日の朝起きられないと経験すると、そこから自分なりに考えて行動するようになるんです。
最近はもう、ガミガミ怒るようなことはなくなりました。

ぬまっち:対話ができるようになったからだね。まだ5歳だから、絶対お母さんが困ることをしているはずだよ。あるはずだけど、ちゃんと対話できているから、もはやお母さんの記憶には残らない。

Dさん:確かにそうかも。ここ半年くらい、たくさん話しました。今では「宿題やりなさい」と言わなくても、自分でやってくれます。ゲームの前にやるって自分で決めてるんです。自然とそうなっていきましたね。

Aさん:うちは、まだやらないな。自分から宿題はやりません。

Bさん:うちも、まだそこまでは……。すごいなあ。

ぬまっち:子どもが5歳の段階で気づいた親と、10歳前後の段階で気づいた親との違いだね。過去の対戦成績は積み重なっていくから、年齢が上がるほど、悪い戦績が残ってしまっている。5歳ならまだ対戦数が少ないから、すぐに勝ち越しにもっていけるわけだよね。

Bさん:小学校高学年まできちゃうと、勝ち越すには時間がかかりますよね。すでに、かなりねじ込んできたわけですから。

ぬまっち:そうそう。でも、遅すぎるってことはないから、大丈夫。早いに越したことはないけど(笑)。

Dさん:子どもに聞くようになると、自分からどんどん言うようになってくるんです。それだけ言わせてあげていなかったんだな、と気づきました。

Aさん:このまま対話を続けていけば、「自己主張期」に入ったときに、対話のベースがきっちりできているから、心配いらないね。

ぬまっち:「自己主張期」になったとき、きっとDさんは「待ってました」ってニコニコするだろうから、それもまたいいよね。

5歳の息子さんとの対話を通して、何歳でも話し合うことはできると実感したDさん
5歳の息子さんとの対話を通して、何歳でも話し合うことはできると実感したDさん
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沼田晶弘

ぬまた・あきひろ
国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭。
1975年東京都生まれ。東京学芸大学教育学部卒業後、アメリカ・インディアナ州立ボールステイト大学大学院で学び、インディアナ州マンシー市名誉市民賞を受賞。スポーツ経営学の修士を修了後、同大学職員などを経て、2006年から現職。児童の自主性、自立性を引き出す斬新でユニークな授業が数多くのテレビや新聞、雑誌などに取り上げられている。
学校図書「生活科」教科書著者。
主な著書に『「変」なクラスが世界を変える! ぬまっち先生と6年1組の挑戦』(中央公論新社)、『家でできる「自信が持てる子」の育て方』(あさ出版)、『one and only 自分史上最高になる』(東洋館出版社)、『世界標準のアクティブ・ラーニングでわかった ぬまっち流 自分で伸びる小学生の育て方』(KADOKAWA)などがある。

Twitter @88834

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