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春のセンバツが帰ってきた!初戦直前、天理(奈良)の前キャプテンを支えた妹との絆

ひとりの人生を変える力があった

 天理高校に入学した真実は何部に入ろうかと悩んでいた。そのときに野球部のシートノックを見て、心を奪われたのだという。

「お兄ちゃんが頑張っている姿を見て、ひとめぼれ。野球をするお兄ちゃんはカッコいいと気づいたそうです。それから手紙を書いて、野球部のマネジャーになることを直訴して、いまに至ると。お兄ちゃんには、いまだに認めたくないという気持ちがあるようですが。
 間近でシートノックを見ると、嫌なことがあっても気分が晴れるって、真実さんは言っていました。普段はケンカすることもあるけど、グラウンドにいるお兄ちゃんは違うんですって。キラキラした顔で言われたから、こっちが困ってしまって(笑)」

 シートノックのときの下林の姿に、ひとりの人生を変える力があったのだ。
 
 妹の真実がキャプテンの下林に送った手紙がこれだ。
 
お兄ちゃん、お誕生日おめでとう。
まず、夏の甲子園で一戦できるってことで、本当にヨカッタ祝祝祝。
正直、小さいころから天理高校の野球部として甲子園に出ることを目標に頑張って頑張って、勉強を犠牲?にして(笑)……がむしゃらにバット振ってっていう姿を見ていたまみから見ても、センバツ、夏どっちもなくなってしまったのはほんまにつらくて、兄ちゃんの人生つぶしにきてんかなコロナって思ってしまったけど、そんななかでも前向いて頑張ろうとしていること、練習もバリバリ続けてるし、尊敬でしかない。
見学させてもらってるなかで見るお兄ちゃんのどの姿もとにかく、とにかくカッコいいし、たくましくて惚れてしまいました。しょうみ、まみはお兄ちゃんのことしか見てない。
まあ、こんなキモイこと書いたけど、何が言いたいかって、あなたはもちろん、ほかのメンバーの方々も同じ思いでずっと突っ走っているからこそ、こんなにいい機会(甲子園での交流試合)が与えられたんやろうなと思わせていただきます。
だからこそ、このチームでマネジャーをしたいって思いが増したし、ここでしか頑張られへん。ここがまみの頑張るべき場所やって本気で思いました。話聞くだけでも大変そうやけど、乗り越えてみせます。
キャプテンさん、マネジャーさせていただいてよろしいでしょうか。  下林真実

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