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春のセンバツ開幕記念! 甲子園が消えた夏、仙台育英・前キャプテンを奮い立たせた母とのLINE

キャプテンの田中には200点をやりたい

 宮城の独自大会を制して甲子園交流試合に乗り込んできた仙台育英は、倉敷商業(岡山)と激突。4回に1点を先制したものの、その裏に追いつかれ、その後も追加点を許してしまった。終わってみれば1対6。一番セカンドで出場した田中は3回にヒットを放ったが、チームに勝利を呼びこむことはできなかった。

 試合後に、仙台育英の須江わたる監督はこの半年間を振り返った。

「さまざまな困難があって、希望を見出そうとしたらまた状況が悪くなる。四方八方をふさがれちゃうような感じだったんですよ。それでも三年生がアイデアを止めないで、常に『こうしよう』と指針を出してくれました。
 年長者として年下を育てるんだという気概というか、そういうものを常に見せ続けてくれました。キャプテンの田中に対しては、120点、150点、200点をやりたい。彼が非常に困難な舵取りをして、常に前を向いていろいろなことを示してくれました。だから、チームの誰も沈むことがなかったし、投げやりになることがありませんでした。
 何かが起こっても、練習に対するモチベーションが下がったということは、一日も一時間も一分もなかったです。田中と学生コーチの菅野友雅ゆうががよく話をして、みんなの気持ちをつなぐ声かけ、取り組みをしてくれました」

 小松は試合後の田中の表情に注目していた。

「甲子園交流試合が終わって、ベンチを片付けて、グラウンドに挨拶する直前に須江監督に声をかけられたんですよ。そのときに天を仰いで、祥都くんは初めて涙を見せました。その一瞬に、彼の3年間や、野球漬けの13年間が表れていたのかなと。やっと報われたのか、解放されたのかわからないですけど、すごく印象的なシーンでした」

甲子園史に残る2020年。球児たちの想いを追った『消えた甲子園 2020高校野球 僕らの夏』

『消えた甲子園 2020高校野球 僕らの夏』は、今回の仙台育英高校のほかにも球児たちの感動エピソードが満載。

【第1章】ヒロド歩美が見た 2020年の高校野球
【第2章】球児を奮い立たせた家族の力
【第3章】甲子園が消えた夏に求めた 「心の中の甲子園」
【第4章】球児を支えた仲間の絆
【第5章】白血病から復活へ
【第6章】球児を育てた地域の力
【第7章】それぞれの「最後の夏」
【第8章】甲子園交流試合 熱戦譜

以上の全8章で構成されています。

『消えた甲子園 2020高校野球 僕らの夏』の詳細はこちらから

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