よみタイ

薄毛の最大の敵はストレス! 育毛の名医が教えるNG習慣と絶対にやってほしい対策

春先は、季節の変わり目のよる寒暖差や環境の変化にともなって、心身のストレスが増えやすい時期だといわれます。
ストレスは心身のあらゆる不調の原因になりますが、もちろん薄毛もその一つ。
育毛外来で総合治療を行う田路めぐみ医師は「薄毛の最大の原因はストレスと言っても過言ではありません!」と指摘します。
どんなにお金と時間をかけて食生活やヘアケア方法を工夫しても、ストレスを溜め込んで薄毛が加速してしまっては元も子もありません。

そこで今回は、頭皮の名ドクター・田路医師に、ストレスと薄毛の関係性、そして、育毛効果にも繋がるストレス発散法について、教えていただきます。
この春から心機一転、ストレスフリーな育毛習慣を身につけていきましょう!

※田路医師の著書『東大医師が教える最強の育毛革命 ~ラーメンやめれば髪は勝手に生えてくる』から一部抜粋、再編集してお届けします。

(構成/「よみタイ」編集部)

活性酸素(体のサビ)によるダメージで、髪が育たなくなる

 ストレスは今や現代人にとって、心身ともに影響を及ぼすもので、どんな人も何らかのストレスを抱えて生きているのが現状です。
 過度なストレスを与えられると細胞や遺伝子を傷つける活性酸素が発生します。

 活性酸素は酸素よりも強い酸化力を持つのが特徴。切ったリンゴを放置しているとだんだん茶色くなってしまうのを見たことがあるでしょう? 酸化とはまさにその状態のことです。これは空気中の酸素に触れたことで起きる化学反応で、鉄を長期間使っているとサビてくるのも同じ原理です。
 細胞は、酸素を使ってエネルギーを作り出し活動しているのですが、そのエネルギー産生自体のうちの数%が活性酸素に変わることが分かっています。体の中では、酸素よりさらに酸化力の強い活性酸素がどうしても作られ、細胞を酸化させてしまうのです。
 一方で活性酸素は体内に侵入したウイルスや細菌を攻撃するという大切な役割もあり、なくてはならないものでもあります。
 問題は活性酸素が体内に増えすぎること。
 活性酸素が増える原因はいろいろあります。先ほどお話ししたエネルギー産生以外にも、タバコ、合成薬品の摂取、紫外線、過度な運動、過食、そしてストレスなどです。
 ストレスにより、交感神経が優位の状態が続くと血管が収縮し、血流が悪くなります。その後血流が再開通する際に活性酸素が発生したり、ストレス時に増える白血球の一種から活性酸素が発生したりするのです。
 慢性的なストレスが続いてこの状態が繰り返されると、活性酸素がどんどん増えていくという負のスパイラルに。

活性酸素によって、毛を作り出す細胞が傷つけられてしまう。(イラスト/きくちえり)
活性酸素によって、毛を作り出す細胞が傷つけられてしまう。(イラスト/きくちえり)

 もともと人間の体の中には、この活性酸素を消去するための「抗酸化物質」と呼ばれるものが、たくさん準備されています。抗酸化酵素、各種ビタミン類、ポリフェノール類、そしてメラトニンや男性のテストステロンもその一種。けれど、体の中に活性酸素がありすぎるとそれを消去しきれず、元気な細胞や遺伝子が攻撃されてしまいます。
 当然、頭皮に活性酸素が増えると毛を生成する毛母細胞も攻撃されて、毛の成長を妨げることに。細胞がサビてしまうので、頭皮も体も調子が悪くなるばかりです。
 さらに、この状態に糖質過多の食生活が加わると糖化も起こり、酸化とともに髪や細胞を、どんどん劣化させてしまうのです。
 
 人間は生きている限り、酸素は取り込むので活性酸素はゼロにはできません。必要以上に増やさないことと、活性酸素の働きを抑える抗酸化力を活かすことが大切なのです。
 つまり、ストレスを溜め込まないようにして活性酸素の発生を抑える、ホルモンバランスを整える抗酸化作用のある食べ物をしっかり摂る、ということです。
 トマトやキウイに豊富に含まれるビタミンC、ナッツ類のビタミンE、ピーマンやニンジンなどの緑黄色野菜、赤ワインやブルーベリーのポリフェノールなどに抗酸化作用があります。その季節に美味しい旬の食材も、抗酸化力が高いものです。
 ストレスが気になる人は、これら抗酸化作用のある食物を積極的に摂取して、活性酸素を必要以上に増やさないようにしたいものです。

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新刊紹介

田路めぐみ

神奈川県出身。平成9年、東京大学医学部医学科卒業。
日本形成外科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本頭蓋顎顔面外科学会会員、日本外科学会会員。
虎の門病院外科レジデント修了後、東京大学形成外科医局に入局。帝京大学、東京大学、国立国際医療センターにて形成外科の研鑽を積み、焼津市立総合病院、国保旭中央病院にて形成外科科長を務める。その後国立がんセンター東病院頭頸科、せんぽ東京高輪病院(現JCHO東京高輪病院)形成外科を経て、2014年より、松倉クリニックに勤務。
美容のみならず形成外科・再建外科医としても活躍し、その幅広い臨床経験から、患者さんの状態やニーズに合わせて柔軟に治療法を選ぶ総合的な診療を得意とする。
自らの薄毛経験も活かし、身体全体とストレスまで考慮した総合育毛治療がクリニックでも人気を呼んでいる。

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