2024.4.16
【ティモンディ前田裕太×佐々木亮 特別対談/後編】想像力を掻き立てられるNetflix版「三体」は続編への期待が止まらない!(※ネタバレ注意)
(※ネタバレを含みます。ご注意ください)
撮影/上澤友香
取材・文/澤田真幸
(前編はこちらから)
三体から想像する、惑星移住という選択
――Netflix版『三体』は登場人物それぞれの人間模様もとても面白いです。もし自分が『三体』の登場人物になったとしたら、どう行動しますか?
前田 これ、一度は考えますよね。僕はたぶん逃げるんだろうな。
佐々木 敗北主義ですか! 地球は三体世界に勝てないということですね。
前田 ですね。ちょっと希望は持てないと思ってしまいますね。佐々木さんはどうですか?
佐々木 僕は自然界で武器になるものを考えるかな。フレアという星の爆発の研究をしていたので、これを使って狙い撃ちできたらめっちゃいいなと思うんです。
前田 三体艦隊を攻撃するんですか。
佐々木 そうです。まず相手の艦隊の駆動方法を予想して、電気で駆動しているんだったら、太陽フレアで回線に影響を与えたりできないのか、みたいなことを考えたり……。
前田 いいなあ(笑)。専門家だなあ。
――『三体』は惑星移住の話でもありますが、これはリアルに考えないといけない問題なのですか?
佐々木 だと思います。ここから10年ぐらいでまず月に行って、その後は火星に行って、というところまではみんな考えているので、現実的に起こり得る話でしょうね。ただ、移住はオプションであって、国の政策としては「地球や太陽系がどうやってできたのか」「できたときの情報がどれだけ残っているか」みたいなことを深掘っていくために、月や火星を調べるというのがメインの目的です。国の政策がそうなのであれば、そこにビジネスチャンスを見出そうとする人たちがいて、その流れで惑星探査が盛り上がっている、という現状だと思いますね。
前田 やっぱりお金の話と絡んでくるんですね。
佐々木 宇宙研究の世界では計画書を提出して、それに合わせて予算がつくんです。本当はもっと壮大なアイデアがあるけど、実現性が低いと予算はつかないから、そのギリギリのところを狙ってプロジェクトが成立しているのが現実。逆に『三体』などのSF世界では、当然そういう現実的なお金の制約がないわけですから、純粋な発想力でテクノロジーを描ける。だから、ワクワクするんだと思います。