2021.9.13
推しにたくさん幸せをもらったから、推しにも幸せになってほしい ——森三中・黒沢かずこさんインタビュー
チャンミンだったら結婚するだろうな
――『沼の中で不惑を迎えます。』の話に戻りますが、コミックスを読んで、印象に残っている場面はありますか?
第1話(「推し」が結婚するそうです)で、竹内さんが東方神起のチャンミンの結婚に衝撃を受ける場面がありましたが、私はチャンミンの結婚を知った時にショックはなかったかも、と思いました。
――黒沢さんもかなりの東方神起ファンとして知られていますが、それでもチャンミンの結婚は平常心で受け止められたのですね。
そうですね。私は東方神起の二人推しなのですが、チャンミンが私たちに幸せをくれたぶん、チャンミンも幸せになるべきだなとずっと思っていたので、ショックという気持ちはなかったです。
幸せな時間をたくさんいただいたので、幸せになってほしいと思いました。
――聖母のような心境ですね。東方神起のファンになったのは、何かきっかけがあったのでしょうか。
最初は、お仕事が一緒だったんです。日本テレビ系『Music Lovers』というライブを観る番組の東方神起がゲストの回に呼ばれて。その時私は東方神起のことを全然知らなかったんですが、出演させていただくことになったんです。そうしたら、ライブを観ているお客さんがすごく楽しそうで、生き生きとしていて。その時のお客さんの顔が本当に印象的だったんです。こんなに生き生きとしている人たちが好きなアーティストってどんな人たちなんだろうと、曲を聴いたりライブに行ったりするようになりました。そのうちどんどん好きになって、韓国や地方のライブにも足を運ぶようになって……。東方神起には本当に救ってもらいました。
――「救われた」というのはどんなところですか。
東日本大震災の時、エンタメってなんだろう、私がやっているような、適当に思ったことを歌うようなスタイルのお笑いは今必要ないんじゃないかと感じて、この先どうやって生きていこうかと思い悩んでしまった時があったんですね。そういう時にちょうど東方神起に出会って、いつも全力で一生懸命な姿に励まされたし、そんな彼らを「うわーっ!」と応援して元気になっている人たちを見て、私も元気をもらいました。
二人ともいつも全力で、ライブも気力体力のギリギリまでやってくれるので、そういう一生懸命な姿を見るたびに励まされるし、自分も一生懸命やろうと思います。
一度東方神起のライブを観た後に、新喜劇に出たことがあるのですが、「東方神起みたいにとにかく一生懸命やろう!」とやる気があふれて、一生懸命コケたら、間が変だったみたいで、スベりました。やっぱり私はアーティストじゃないし、一生懸命やるだけじゃ伝わらないものもあるんだと学びましたね。