2021.1.9
特別な運動も食事制限もなし! それでも40年休載なしを達成できた「健康術」~漫画家・秋本治の仕事術その5
Q.夜なかなか眠れず、朝スッキリと目覚めることができません。日中もダルさが抜けなくて……。
ぐっすりと寝て翌日に備えたいのに、なかなか眠れないことがあります。眠ろうと思えば思うほど、仕事のあれこれが気になり出してしまったり、ついスマホを手にとって余計目が冴えてしまったり……。
巷には睡眠の質を高める方法や、最適な睡眠時間など、「眠り」にまつわる情報が溢れていますが、なんだか情報が多過ぎて結局何をすればいいのかよくわからない、さらにそんな情報を集めてネットサーフィンをしているうちに気づくと深夜でまた寝不足ということも。
これでは本末転倒もいいとこです。
一般的には、締め切りに追われて、寝る間も惜しんで原稿を書き続けるようなイメージがある漫画家という職業。漫画家生活40年以上の秋本さんは、自身の睡眠とどのように向き合ってきたのでしょうか。
A.睡眠の悩みへの特効薬は、気楽に構えて、そのまま受け入れること
不眠に悩まされた経験はまったくありません。逆に、眠ってはいけないときなのに、どうしても眠たくなってしまうことが、睡眠に関する僕の悩みです。
デビューしてからの5年間くらいは、カフェインの内服薬を飲み、なんとか眠気を振り払おうとしましたが、まったく効果がありませんでした。
ビタミン剤のような滋養強壮剤を試した時期もありました。でも、やはり眠気がなくなるということはなかったので、やがてそういうものに頼るのはやめることにしました。
結局、一番効果的なのは「眠らずにがんばろう」という気持ちだったのです。
それに、眠くてウトウトしながら描いたものは、後で描き直ししなければならないほどヒドいものが多いということにも気づきました。それからは、眠いときには無理せずに仮眠をとる。どうしても眠らずにやらなければならないときは、月並みですが、濃いコーヒーで乗りきるようになりました。
夜の睡眠は、年齢を重ねると誰でも浅くなるものだといいますが、こんな僕も最近、若干眠りが浅くなってきていると感じます。だから、ラッキーだと思っています(笑)。
いまは起きようと思えば朝4時でも、苦もなく起きられます。短時間の睡眠でスッキリと目覚められるのは、僕にとってはありがたいこと。早起きできれば仕事をはじめる時間まで、好きなことをやっていられるわけですから。
睡眠に関しては悩みを持つ人が多いようですが、色々やりながら自分に向いた方法を身につけていくことが最良だと思います。
そして一番の特効薬は、悩まないこと。
眠くなったら少し仮眠をとればいいし、眠れないのであればDVDで映画を観るとか。
とにかく気楽に構えるのがいいのではないかと思います。