2021.1.9
特別な運動も食事制限もなし! それでも40年休載なしを達成できた「健康術」~漫画家・秋本治の仕事術その5
この偉業の背景には、どのような思考や行動、努力があったのでしょうか。
そのマインドやハウツーをあますところなく語ってくださったビジネス指南書『秋本治の仕事術 『こち亀』作者が40年間休まず週刊誌連載を続けられた理由』から、今回は、秋本さんが実践する「健康術」を3つご紹介します。
漫画家といえば、座りっぱなしで運動不足、常に締め切りに追われながらの食事や睡眠もままならない不規則な生活……といった不健康なイメージが浮かびがちな職業。しかし秋本さんは、40年もの間、休むことなく、そして大きく体調を崩すこともなく『こち亀』全200巻という驚異のロング作を描き続けることができました。
秋本さんはいかにして、自分の体と向き合い、健康を守ってきたのでしょうか。
誰にでも参考になる秋本流・健康術の極意で、みなさんのお悩みに答えます!
●「セルフマネジメント術」編はこちら。「時間術」編はこちら。「コミュニケーション術」編はこちら、「発想術」編はこちら。
*書籍から一部抜粋・再編集してお届けします。
(構成/「よみタイ」編集部)
Q.ストレス解消の晩酌がやめられないのですが……。
仕事終わりに缶ビールをプシュ!
お酒が好きな人には至福のひとときです。その日のイライラや疲労解消に、夜の晩酌が欠かせないという人も珍しくありません。
特に最近は在宅勤務が増えたり、外食もままならないため、自宅でついダラダラと飲み過ぎたり食べ過ぎたりしてしまうという人も多いのではないでしょうか。
お酒は適度にたしなむ程度であれば問題ありませんが、深酒が習慣化すると、翌日の仕事に響いたり、肝臓を始め、体や臓器にも負担がかかったりします。それはわかっているけれど、ついつい飲み過ぎてしまう……。
日々、締め切りとともに原稿に向き合っている秋本さんも、お酒や食事でストレス発散するようなことはあるのでしょうか?
A.ストレスなく働いていれば、深酒する必要も感じない
僕はあまり規則正しく食事をとることがありません。若いころから小食で、一人でいるとほとんど何も食べなかったりします。夜気づいたら、今日は小さなハンバーガー一個だけしか食べていなかった、なんてこともよくあります。
体重は若いころからほとんど変わりません。独身時代は54㎏でしたが、結婚して食事をきちんと摂るようになったら56㎏になり、それ以降ほとんど変わらないのです。
特にスポーツをしているわけでもありません。ずっと机に向かってペンだけを動かす生活ですから、必要最低限のエネルギーで生きているのだと思います(笑)。
そしてお酒はまったく飲みません。飲めないこともないのですが、あまり飲みたいと思わないのです。サラリーマンがよく、一日働いた後のお酒が楽しみといったりしますが、そんな風に思ったことは一度もありません。僕にもアニメーター時代、組織の一員として働いていた時代がありますが、会社へ行って仕事をするのが楽しみで仕方がなかったので、そもそもストレスが溜まっていなかったのだと思います。
日曜日の夜、普通だと「あー、明日からまた会社かぁ」と思うものでしょうが、僕の場合は「明日からまた続きが描ける!」とワクワクしてくるのです。だから、ストレス発散にお酒の力を借りる必要はなかったのでしょう。
そんな話をすると人から時々、「意志が強い性格だ」といわれることがあります。でも、ちょっとニュアンスが違う気がします。どちらかというと、あらゆることに対して執着心が薄いのだと思います。