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大銀杏姿で復活の照ノ富士に、勇気と我慢の大切さを学ぶ〜照ノ富士(力士)

広島カープを、プロ野球を、いやいやスポーツ界をこよなく愛するイラストレーター、オギリマサホ。その愛ゆえか、職業柄か、なんだか気になる、なんとも魅かれる、スポーツ選手たちの顔、顔、顔……見渡せばスポーツ界にはイケてる顔面が大豊作。愛すべきその面々、ちょっと斜め下から分析しちゃいます!
照ノ富士 春雄(てるのふじ・はるお)●1991年モンゴル国ウランバートル市出身。伊勢ヶ濱部屋(入門時は間垣部屋)所属の現役大相撲力士。身長192cm、体重180kg。2007年に観光旅行で日本に来た際に相撲部屋関係者に声をかけられ稽古を見学したことで、大相撲の世界に魅了される。その後モンゴルにて、飛び級の17歳で技術大学に合格するも相撲留学を決断し、2009年鳥取城北高校に編入。同校卒業を控えた2010年に間垣部屋に入門した。史上初となる大関経験者、幕内経験者、幕内最高優勝経験者の序二段からの幕内復帰,復活優勝を遂げた。得意技は右四つ・寄り。

スポーツ選手が引退を決意するタイミングはいつなのだろうか。
体力の限界を感じた時、思うような記録が出せなくなった時、勝てなくなった時……。

相撲の場合は特にシビアだなあと感じることがある。
自らの勝敗により翌場所の番付が決まり、地位が高くなればなるほど負けが許されなくなるからだ。特に最高位の横綱は降格ができず、不甲斐ない成績を残せば、本人の意思がどうであれ引退を選ぶより他に道がなくなる。

横綱のひとつ下の位である大関は、2場所連続で負け越せば関脇に陥落する。陥落直後の場所で10勝以上すれば特例で大関に復帰することはできるが、現行制度の下で特例復帰できた力士は過去6名(栃東は2度復帰)、特例復帰を用いずに大関再昇進を果たしたのが1977年の魁傑ただ1人と、大変厳しい道のりでもある。そして大関復帰がかなわず番付を落とし続ければ、やはり引退せざるを得ないというのが慣例でもあった。十両まで陥落した大関経験者がこれまでに4名しかいないとことからもそれがうかがえる。

ところが今年の七月場所、こうした慣例を見事に打ち破る出来事が起きた。
幕内優勝を果たした照ノ富士である。

復活の大銀杏を結い上げる時に照ノ富士の胸に去来したものは
復活の大銀杏を結い上げる時に照ノ富士の胸に去来したものは
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オギリマサホ

1976年東京都出身。イラストレーターとしてシュールな人物画を中心に雑誌や書籍などで活躍。中学1年までは巨人ファンだったのが、中2のときに投手王国・広島カープに魅せられ、広島ファンに転向。そのカープ愛が炸裂するイラストエッセイ『斜め下からカープ論』を刊行。野球のみならず、広くスポーツ界を愛している。
Twitter@ogirim

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