2019.3.13
震災から学ぶ「ペットの防災」。人命優先でも「ペット同行避難」が大切な理由
防災に関して、一番大切な備えは人間関係!
防災といえば「備蓄」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?でもそれ以上に大切な備えは「ご近所付き合い」です!阪神・淡路大震災では近隣住民に救出された人がなんと77.1%にのぼります。家族やペットが住んでいることを知っている人が多いほど、救助の確率は高まります。ペットだけで留守番をしているときにも様子を見に行ってもらえるかもしれませんよね。
無事に避難できたとしても、復興まで大変な状況が続きます。被災した人もストレスがたまり、ペットを快く思わないこともあります。普段からご近所付き合いを行い、さらにペットが地域社会の一員として受け入れてもらえるように、きちんとしつけをしてくださいね。とはいえアレルギーなどで動物が苦手な人もいるので、災害時にはいつも以上に配慮を心がけること。飼い主が責任を持ってしつけや世話をし、周囲に迷惑をかけないようにしましょう!
人もペットも備蓄は「使ったら買い足し」でOK
備蓄消費に係る検討会による都民へのアンケートで、ペットのための備蓄をしている人が53.8%にとどまることが明らかになりました。アイペット損害保険のアンケートでは、犬の飼い主が60.9%、猫の飼い主が35.8%でした。犬の飼い主のほうが備蓄をしていることがわかります。前述の「人とペットの災害対策ガイドライン」を参考にそろえましょう。
フードや水は大半の人が用意していますが、トイレ用品やクレートはまだ少なめ。非常用持ち出し袋に入りきらないからかもしれませんね。無理に詰め込まず、取り出しやすい玄関や物置などに保管しておくのもおすすめです。
「備蓄のため!」と張り切りすぎず、食料や日用品を使ったら買い足すことを習慣にしておけば十分。これは行政も推薦する「ローリングストック法」と呼ばれる方法です。大量の防災用品を用意するより簡単ですよね。
生き抜くための「自助」「共助」「公助」
災害が発生したときは「公助」と呼ばれる行政、消防、警察、自衛隊、病院などが動きます。ところが東日本大震災や西日本豪雨のような大規模な災害では、救助や支援が行き届かないこともあるのが現状です。現在特に危惧されている南海トラフ巨大地震や首都直下地震が起きた場合、公助では限界があると推測されています。
そこで進められているのが「自助」と「共助」の取り組みです。自助は、自分や家族、ペットを自力で守ること。備蓄や家屋の耐震工事に加え、ペットのしつけも含まれます。共助は、地域住民や友人同士で助け合うこと。過去の災害の教訓や被災者の声から、生き抜くための取り組みとして重視されています。いずれも今回ご紹介してきたことで、特別な知識は必要ないことばかりです。
防災は決してハードルが高いものではありません。ちょっと意識するだけで、日常生活がそのまま災害対策になるのです。大切な命を守れるようにぜひ始めてくださいね!