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犬と猫が「人類最良の友」と「人類の支配者」になった歴史を紐解いてみる

犬と猫は人にとって身近な動物です。

犬は「人類最良の友」といわれるほど人間社会に溶け込んでいます。
もちろん猫も負けていません。自由気ままな愛らしいしぐさに夢中になる人が続出し、一部では「人類の支配者」とも呼ばれているんです。近年の猫ブームをアベノミクスになぞらえて「ネコノミクス」と言うほど!
猫の経済効果を考えたら、本当に影で人間社会を操っているかも…なんて想像しちゃいますね。

どちらも人にとって大切な存在ですが、友と支配者ではずいぶん違いますよね。でも犬と猫は人類にとってペットの中でも特別なポジションなのです!
今回は大切なパートナーである犬と猫の歴史を振り返ってみたいと思います。

猫の歴史は1万年、犬はなんと3万年!

犬と猫はペットの代表格です。
その理由は、飼い主である人と犬猫のどちらにとっても利益のある「相利共生」の関係だったから。人は犬猫を養い、犬猫は人のために働いてきた歴史があります。ウサギやインコもかわいいペットとして人気ですが、犬猫のように「人のために働く動物」とまでは今のところ言えませんよね。まずは猫の歴史を紐解いていきましょう!

猫の祖先は中東の砂漠で暮らしていたリビアヤマネコです。その後、約1万年前から人に飼われ始めたと推測されています。それまではエジプトで見つかった絵画などから約4000年前にペットになったと考えられていましたが、2004年に一気に6000年も歴史を更新!

その証拠となっているのが、同年にキプロス島で発見された約1万年前の男性と猫のお墓です。こんな時代にすでに人と一緒に島へ移動するほど関係を深めていたとすれば、証拠が見つかっていないだけで共生の歴史はもっと古いのかもしれません。

犬の歴史は猫よりさらに古く、約3万年程度までさかのぼれると考えられています。遺伝子を調べた結果、現在のチベットやモンゴルにいたオオカミが飼い慣らされて犬になったという説が有力ですが、ヨーロッパや中東を起源と考える説もあります。

埋葬されたお墓の年代だけでなく遺伝子まで研究されているため、猫よりもいろいろな説が登場するようですね。人の移動に伴ってユーラシア大陸全土や、地続きだったベーリング海峡を渡ってアメリカ大陸へと広がっていきました。

ツンデレな猫に支配されたい人が続出

猫の性格からも飼い主との歴史がうかがえるます。猫はミステリアスでマイペース。自主性が高く人に媚びないところに魅力を感じる飼い主も多いでしょう。

心を許している人に対しても「シャーッ」と怒るツンデレなところがありますよね。猫の召使い状態を楽しむ飼い主によって「猫は支配者」とまで言われるように!この付き合いやすいとは言えない性格が愛されたからこそ、1万年経っても人との友好関係は変わらないのでしょう。

さらに警戒心が強くてちょっとした物音にも隠れたり、虫や小動物をハンティングしたり、ナワバリをパトロールしたり…まるで野生動物のようではないですか?昔は穀物を食べるネズミを駆除する仕事を担っていたこともあるほど。

とはいえ現在の気まぐれな猫を見る限り、祖先もそれほど勤勉だったかどうか…?ネズミ対策に重宝されていたかもしれませんが、それ以上に「猫に支配されたい」と夢中になる人が多かったのではないでしょうか。

フレンドリーで勤勉な犬は友にふさわしい

犬は猫に比べてフレンドリーで付き合いやすい性格です。昔から猟犬や牧羊犬として勤勉に仕事をすることが求められたからでしょう。共に働く同僚が気まぐれでは大変ですよね。ここがあるがままにペットになった猫と大きく違うところ。人の大切なパートナーとして働く犬が、「人類最良の友」と呼ばれるのも納得でしょう。

ところが現在につながる犬種が誕生したのは歴史的につい最近、わずか200年ほど前なのです。主に欧米で一気に改良が進み、プードルやラブラドール・レトリーバーのようにかわいい容姿と穏やかな性格を持つ犬種が増えました。猫の種類が約100種なのに対し、犬の種類は約800種にものぼります。多くの愛犬家が理想の性格や容姿を持つ犬を求めた結果ですね。

「犬っぽい猫」と「猫っぽい犬」も人気!

犬派と猫派は対立しているかのように扱われることもありますが、実は猫の中には「犬っぽい猫」もいます。たとえばヒマラヤンをはじめ、長毛種は比較的穏やかな性格。スコティッシュフォールドのように近年人気の猫種もフレンドリーな傾向があります。

さらに日本では近年になって室内飼育と不妊・去勢手術が推奨され、よりペットらしく穏やかな性格に変わってきています。飼い主と猫の関係はこれからさらに変化していくのかもしれませんね。

逆に「猫っぽい犬」もいます。人の手であまり改良されていない柴犬やバセンジー、グレーハウンドなどは、猫と同じで自主性が高く野生動物のような一面もあります。

誰に対してもフレンドリーとはいえませんが、特に柴犬のような家族への一途な態度が特徴の忠犬は近年人気!猫と犬のいいとこ取りをしたような「猫っぽい犬」はますます注目を集めそうです。

21世紀のネコノミクスが新たな歴史を作る

私たちと犬猫の関係は、歴史的にはつい最近である20世紀から急展開しています。

犬種や猫種が増えたり、動物の法律ができたり、ペットブームが起きたり…。21世紀の日本では何度目かのペットブームを迎え、社会現象に加えて経済効果まで生み出しています。10年前には想像もできない変化ですよね。まさか「ネコノミクス」が流行語になるとは!

人とペットの関わり方は今後も加速度的に変わっていくでしょう。人類最良の友である犬と人類の支配者である猫と、新たな歴史を作っていくのも楽しいと思いませんか?

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金子志緒

かねこ・しお●ライター・編集者/レコード会社と出版社を経てフリーランスになり、雑誌、書籍、Webの制作に携わる。主な取得資格は愛玩動物飼養管理士、防災士、いけばな草月流師範。甲斐犬のジュウザに続いてサウザーを迎え、おもしろおかしく暮らしている。
ブログ:www.shimashimaoffice.work

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