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肉バカが1年間食べまくって選んだ、焼肉以外の☆肉料理店7選【焼ニシュラン2018(番外編)】その3

【鉄板焼きというジャンルを牽引する】☆[銀座うかい亭]

「うかい亭」以外の鉄板焼きに行きたい、とほとんど思わなくなってから何年経つだろうか。

うかい亭だけが違う。
なぜ違うのか。

色々考えたが、答えはクオリティに行き着く。
扱う牛肉、それを焼く技術、他の食材との組み合わせ、全てのクオリティが他の鉄板焼きでは体験したことのないレベルにある。

分厚いステーキを焼く最上の方法というと炭火というのを思い出しがちだが、鉄板による火入れには炭火にはない良さが詰まっている。
内部までじっくりと熱を伝えることができ、焼きムラ無くカリッと仕上がるのだ。

うかい亭のステーキに、油っぽいイメージは皆無だ。

私が生れて初めて震える程感動した食べ物は、20年近く前にうかい亭で出会った田村牛。
それから色々な焼き手にお世話になったが、今でもその当時の焼き手が一番のお気に入りでお世話になっている。
鉄板焼きの真髄を味わおうということであれば、うかい亭がまず思いつく。

【日本料理の高みを知るヒレステーキ】☆[紀茂登]

和牛の聖地・兵庫から東京に乗り込んできた日本料理の名店「紀茂登」

肉バカでも分かるハイクオリティで、どの料理も感動的に素晴らしい。
コースの最後にはヒレステーキが出てくるが、店主・木本さんがこだわる火入れ技術がそこには凝縮している。

上質な備長炭を使い、強火でしっかりと焼き目をつけ、余熱を使ってじっくりと中心まで熱を伝える。
断面はビロードのような美しい肉色を見せ、繊細な食感が舌を襲う。
日本料理の最高峰の1つと言えるお店ゆえ、値段はかなり張るが、それをも上回る感動が待っている。

【牛肉に拘りにいた鉄板焼き】☆[築地鉄板焼きKurosawa]

霜降りにもかかわらず、脂の重たさを感じさせない雌牛。
そんな極上の和牛を食べさせてくれる鉄板焼きが存在する。
ブランド名ではなく、とにかく食べることで行き着いた生産者の和牛を中心に揃えるこだわりは圧巻。
じっくりと丁寧に火入れすることで、つぼみが花を咲かせるように、素材が秘めた味わいを広げてくれる。
王道の鉄板焼きのイメージを覆してくれる名店だ。

【浅草のカオス】☆[じゃの目]

浅草周辺にて深夜の肉不足を救っているのが「じゃの目」。
昭和感ハンパない雰囲気で、カオスと呼ぶに相応しい装いをしている。

サーロインステーキは国産牛のみ、ヒレステーキは国産牛か和牛を選ぶことが出来る。
ヒレは和牛の方が食べやすいとは思うが、値段の差を考えると国産牛の方をついつい頼んでしまう。
深夜まで営業しているので、浅草周辺で肉難民になった際にはまず思い出してみて欲しい。

【ステーキの神様を名乗る庶民の味方】☆[ル・モンド]

新宿西口にもカオス的なステーキ屋がある。

「ステーキの神様」を名乗るそのお店は、後ろを通るのにもちょっと苦労するようなカウンターだけの細長い店内。
実は肉バカは社会人1年目から、ここ「ル・モンド」に通っているのだが、当時は年に100回以上もリピートするほどハマっていた。
当時の安月給に苦しんでいた肉バカに嬉しかったのは、毎日17時から1時間行われるタイムセール。

通常1300円していたヒレステーキが、1050円で食べられたので、17時のチャイムと共にオフィスを抜け出し、ヒレステーキを食べていた頃が懐かしい。
ちなみに、現在はこのタイムセールは存在しない。
あしからず。

話は逸れたが、ル・モンドで扱っている牛肉は和牛ではなく、オージービーフなどの輸入牛肉だが、噛み切れないようなイヤな硬さはなく適度な噛み応えが嬉しい。
さらにル・モンドが神様たる所以は、その味付けにあると肉バカは思う。
醤油ベースのソースに、こってりとした特製バター。
これが肉の味云々ではなく、ステーキという料理としての完成度を天まで引き上げている。

絶品を超えた絶品。
そんな神様のステーキを食べに新宿西口に向かってほしい。

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新刊紹介

小池克臣

こいけ・かつおみ●1976年、神奈川県横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。焼肉を中心にステーキやすき焼きといった牛肉料理全般を愛し、さらには和牛そのものの生産過程、加工、熟成まで踏み込んだ研究を続ける肉の求道者。著書に『No Meat,No Life.を実践する男が語る和牛の至福 肉バカ。』がある。
公式ブログ「No Meat, No Life.」→ http://d.hatena.ne.jp/BMS12/

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