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小池克臣「No Meat,No Life.を生きる男の肉だらけの日々 肉バカ日誌」
年間200食もの牛肉を食べるという、名実ともに肉バカ、小池克臣が日々蓄えてきた肉への愛、知識、体験……そのすべてを注ぎ込む究極の肉コラムがここに。肉好きはもちろん、そうでなくても知っておくべき肉のあれこれが満載!

今和牛を食べずして、いつ食べる? 師走は借金してでも肉を食え!

いよいよ待ちに待った12月がやってくる。
どれほどこの時期を待ちわびたことだろうか。

恋人とイルミネーションを見てウットリするのも悪くない。
が、肉好きには肉を食べてウットリして欲しい。

遂に和牛のベストシーズン到来なのだから。

牛肉にも野菜や魚のように旬がある

魚や野菜には旬があるのが世間一般に浸透しているが、牛肉にも旬があることをご存じだろうか!?
それは12月を中心に11月後半から1月までの10週間と考えて欲しい。理由はこの3つだ。

①涼しくなって食欲の戻った牛が餌を食べ込んでいる
和牛は寒さには強いが、暑さには弱い傾向にある。夏の暑い時期は食欲が落ち、水をいつも以上に飲んでしまう。これは人間と一緒だろう。この為、肉の水分量が増えたり、肉の味が弱くなりがちなのだ。しかし、秋になって気温が下がると、牛の食欲が戻り、冬に備えてたっぷりと餌を食べ込む。結果として、肉の味がぐっと濃くなるのだ。

②品評会に備えて良い牛が出荷されている
かつての和牛農家は稲作農家との兼業が多く、稲刈りが終わって本業がひと段落ついた頃に、肥育している和牛の品評会を行った。和牛専門の農家がほとんどになった今でもその頃の名残は残っていて、11月に品評会が開催されることが多い。つまり和牛農家は良い牛をこの時期にあわせて仕上げ、出荷することが多いということだ(11月に出荷された和牛は12月頃に食べ頃になる場合が多い)。

③需要に応える供給がなされる
需要と供給のバランスの面でも理由はある。年末年始ですき焼きを中心とした需要の上昇があり、結果として高値で競り落とされやすいため、多くの和牛農家はより良い個体を出荷する。結果、質と量の両面で良い和牛が市場に溢れる。

このように、この時期の和牛は全体的に質の向上が見られるが、ハイエンドなクラスにこそ、その傾向は強くなる。
1年のうちでも12月にしか出会うことが出来ないような和牛に遭遇できる確率がぐっと上がるのだ。

だからこそ、肉バカの12月は忙しい。
とにかく日々和牛の最高峰を求めて食べまくる。

焼肉はもちろんだが、普段はあまり行けないような高級ステーキ店などを果敢に責める。

そこで生まれた言葉が
『師走は借金してでも肉を食え!』。

そのくらいの心意気に相応しい和牛がお店で待っているのだ。

では、せっかく借金をしてまで和牛を食べに行っても、感動できないのであれば意味がない。そこで、普段から最高の和牛が食べられるが、12月は特にヤバいお店を紹介したい。

これこそ借金してでも食べたい和牛だ。

表面は紙1枚分の薄さでカリッと、中は甘み溢れるレア…奇跡のステーキ

三田牛竈炭火焼ウェスタ

日本橋にある炉窯ステーキのお店。
お店の入り口には看板が無く、その重厚な扉を開けるのは、ここで和牛の最高峰を食べたことがあるグルマンばかり。
ウェスタで食べられるのは兵庫県産の純但馬血統の子牛を肥育した三田牛のみ。東京でお目にかかることすら滅多にない三田牛の中でも選りすぐりの極上ものだけがウェスタに送られてくる。

特にこの時期は、年に1回行われる三田市肉牛共進会と呼ばれる三田牛だけの品評会で賞を獲得した牛の肉が食べられる。
純但馬血統ならではの食感と香り、そして血の濃さを感じさせる旨みが圧倒的に違う。また、三田市の水質の良さも三田牛の味わいの良さを支えているだろう。

2018年の三田市肉牛共進会では優秀賞の個体を競り落としている。月齢も通常より遥かに長く、35ヶ月かけてじっくりと肥育されている。

また、ウェスタの特徴は、ステーキを焼く炉窯にもある。
紀州備長炭による高温と炉窯の輻射熱で上手に使うことで、分厚いステーキの表面は紙1枚分の薄さでカリッと香ばしく仕上がり、内部はしっとりとレアで肉の甘みがしっかりと残った奇跡の仕上がりとなる。

今年ウェスタに三田市肉牛共進会の優秀賞の牛肉が入荷するのは12月中旬頃とのこと。
本物の和牛、最高峰の和牛を食べたことがない、もしくは食べてみたいという方は、勇気を振り絞ってお店の扉を開けて欲しい。

和牛の価値観が変わる体験が出来ることを約束しよう。

三田牛竈炭火焼ウェスタ
三田牛竈炭火焼ウェスタ

三田牛を焼肉で余すところなく味わえる

三田牛焼肉 里山 by ウェスタ

その名が表す通り、ウェスタの姉妹店の焼肉屋が銀座に存在する。
もちろんウェスタとは仕入れが同じなので、匠と呼ぶに相応しい生産者である勢戸さんの三田牛を筆頭に、普段から極上の三田牛のみが使われている。
ウェスタではヒレやロース、イチボを中心に、里山ではザブトンやトウガラシ等、焼肉に向いた様々な部位を扱い、三田牛を余すことなく味わえる。

ここ里山は焼肉店だが、全てのお肉を料理長がカウンターで焼いてくれる。
三田牛らしい味の濃い赤身の部分は厚切りカットで塩を振って食べるのだが、口の中に広がる鉄分を含んだ旨みに驚くだろう。
霜降りの部位は薄切りにされ、タレでさっと絶妙に仕上げられる。

ちなみに牛肉の流通を知っている方であれば、タンやハラミを含めた内臓類を生産者指定で買うことが不可能に近いことをご存知だろう。しかし里山では、ハラミを含めた内臓も全て三田牛の生産者指定で取り揃えている。

こちらにも12月中旬には、三田市肉牛共進会の優秀賞の三田牛が届く。今から予約をすればちょうど良いのではないだろうか。

三田牛焼肉 里山 by ウェスタ
三田牛焼肉 里山 by ウェスタ

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小池克臣

こいけ・かつおみ●1976年、神奈川県横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。焼肉を中心にステーキやすき焼きといった牛肉料理全般を愛し、さらには和牛そのものの生産過程、加工、熟成まで踏み込んだ研究を続ける肉の求道者。著書に『No Meat,No Life.を実践する男が語る和牛の至福 肉バカ。』がある。
公式ブログ「No Meat, No Life.」→ http://d.hatena.ne.jp/BMS12/

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