2026.4.5
これが本当の“東京砂漠”⁉ 東京の島のなかにある、黒い砂が広がる「裏砂漠」【山の名&珍プレイス 第5回 前編】
年月で変わっていく “砂漠”の広がり
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裏砂漠を作り出している砂や小石は、三原山が噴火することで蓄積していった火山噴出物だ。三原山は100~200年に一度は大噴火を起こし、そのたびに地形や植生が変わっている。だから現在の「裏砂漠」は、地球の歴史から考えれば、ごく最近の三原山にたまたま存在する場所といえなくもない。

裏砂漠と同様に地形図へ記載されている「奥山砂漠」は裏砂漠のさらに北東にあり、現在は草木で覆われていて“砂漠感”はあまりない。この一帯は1986年の噴火による溶岩で焼けただれた場所だが、当時の、草木もない荒涼とした雰囲気はたしかに“砂漠”だったのだろう。だが、時間ともに緑が生い茂り、いまや砂漠の面影は地名に残る程度になっているようだ。

また、地形図には記載されていないものの、三原山の中央火口丘の西側の溶岩原も「表砂漠」と呼ばれている。表砂漠は1950年の噴火までは細かな小石や砂で覆われていて砂漠らしかったようだが、現在はこちらにも草が生えてきて、やはり砂漠っぽくはない。そう考えると、三原山で今も砂漠らしさが残っているのは、裏砂漠だけなのである。

島内にまだある! 裏砂漠以外の“砂漠”
ところで、辞書的な意味での「砂漠」は、降水量が非常に少なく、岩石や砂が主体で植物がほとんど生えていない場所のことを指している。より学術的にいえば、年間降雨量が250ml以下などという定義もあるようだ。その定義に当てはめれば、伊豆大島の裏砂漠は雨が多く、辞書的にも学術的にも適合していない。

だが、それらの定義に合わなくても、人間の目で見て「ここは砂漠っぽいな」と思えば、“砂漠”といってもよいのではないだろうかと僕は考える。とくに自国に本当の意味での砂漠を持たない日本では、憧れを含め、荒涼としたユニークな地形に“砂漠”という愛称をつけたくなる気持ちはよくわかる。
そのうえで、さらに考える。裏砂漠が、辞書的・学術的な意味での砂漠という定義にマッチしないのであれば、国土地理院の地形図に記載されているからといって「ここが日本で唯一の砂漠」というのも、どこか無理がある。なにしろ「地形図に記載されていない砂漠」であれば、じつは他にも日本には存在しているのだ。


しかし、どこに?
では、伊豆大島から船に乗って、もっと南に向かってみよう。
(4月12日(日)9:00公開の後編に続く)

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次回、連載第5回<後編>は4/12(日)9:00公開予定です
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