2022.9.25
おじさんは、なんでもアップデートする生き方に疲れました。
次の日曜日。可愛いシロクマのイラストが入ったマイボトルを片手に、近所の公園へ。
いつものベンチに腰掛け、ボトルの中のルイボスティーをゴクゴクプハー。煮出しを始めた頃は、何度も分量を間違え、雑巾のしぼり汁ような味がする失敗作をつくったものだが、最近はそんなヘマもなくなってきた。
時刻は昼の十二時。お日様の光を全身で受け止め、心と体の光合成を開始。私の体内を駆け巡る活きのいい二酸化炭素と酸素たち。
ああ、幸せとまでは言わないが、ちょっとイイ感じの日曜日じゃないか。
数か月前、同じベンチに座って2リットルのコーラをラッパ飲みしていたのが遠い昔のように思われる。
「炭酸飲料ではなくルイボスティーを飲むようになった」
それぐらいの些細なことだが、私の人生にとって、これは〝大きな意味を持つ小さな一歩〟なのだ。結果を求めすぎず変化を大切にする。自分にしかわからない微妙な変化に一喜一憂しながら、自分自身と丁寧に向き合うことこそが、美容と健康を楽しむコツなのかもしれない。
私には、流行りのアップデートなんて必要ない。無理な上書きなどしなくとも、ほんの少しだけ自分の意識を変えることで、人生の風向きは驚くほど変わるのだから。
なんてことを考えているうちに、あっという間に空になってしまったマイボトル。500ミリリットルと2リットル、この容量の違いにだけはまだ慣れない。
そうだ。ちょっと大きめのマイボトルを探しに行こう。帰りに食料雑貨店にも寄って、新しいルイボスティーも発掘しよう。「私も、ルイボスティーにハマってしまいましてね」なんて調子のいいことを店員さんに言ってしまおうか。
そして実は、いずれは紅茶にも挑戦したいという野望を抱いている。私が紅茶を飲むなんて、それはもはやアップデートを超えたひとつの革命である。いつか訪れる「紅茶革命の日」が今から楽しみで仕方がない。
当連載は毎月第2、第4日曜更新です。次回は10月9日(日)21時配信予定です。お楽しみに!
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