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高橋綾子「綾子のギョーカイ総受けグルメ手帖」
「綾子さんに聞けば間違いない!」――美味なレストランも気の利いた手土産もとびきりのお取り寄せも、おいしいものには死ぬほどうるさいギョーカイのみんなが頼りにするのが、フードパブリシスト高橋綾子のグルメ手帖。誰もがうなる美味の数々を惜しげもなく公開します!

ビバ!はしご酒! 知るごとに奥が深くなる立石呑み! 〜立石ツアー〜

はしご酒が好きな人ってどのくらいいますか?

私は基本的には1軒で腰を落ち着けて食べて飲むので、2軒目すら行かないことが多いのです。
が、今回は違いますよ。
今をときめく立石へ潜入です。

知れば知るほど楽しくなる、葛飾は“立石呑み”、スタートです!

はい、立石駅に着きました。本日は曇り空、気温は11℃、ちょっと寒いけど呑めば温まるってことで、まずは待ち合わせ場所へ向かいます。

ここが呑んべえのための入り口です。
日曜日のため、お休みの店が多いのが少々残念ですが、奥の深い立石なので心配ご無用。
ただいま13:30、土日の立石は昼間っから呑むのが醍醐味なのです。

立石住民の誰もが買って帰る丸忠蒲鉾店のおでん種。

1軒目はその〝おでん″で呑めるという、おでん「丸忠」です。

見てちょーだい、この透き通った出汁を!
これが見た目の色に反してしっかりとしたインパクトのある味わいで、おそらく黒板に書いてあるおでん種すべての味が合体して完成したのだと思われます。
やばいです、マジで。

そのミラクルな出汁がおでん種にしみ込んでいるのですから、またたまらんです。
極細の「白滝」はこんにゃく臭が皆無、歯ごたえは十分にありながらも歯切れが良くなめらか。こんな白滝が存在するとは!
「生姜天」のすり身はギュギュッと詰まった食感、煮込んだら味がぼやけるはずの生姜はキリッと効いたまま。

うまい、うますぎます!

お箸で割れるほどやわらかく、口にすると出汁が充満する「大根」、あなたは完璧です!
「じゃがいも」も「五目揚げ」も「イカ天」も「牛スジ」もおいしすぎます。いっそここで修業してこの味を習得したい。

おか〜さ〜ん! こんなおでんの最高傑作を生みだしてくれてありがとう!
そうです、この方がこのおでんを作った“お母さん”です。この笑顔に癒される。おでんの味もお母さんの人柄の表れなんでしょうね。

店を仕切るのはヤギさん。
カメラ目線でお願いしますって言ったら、ニッコリしてくれたのに私がシャッターチャンスを逃したら「もうダメ」って横顔だけ。でもね、このキャップのトリコロールカラーのキツネは、そう「メゾンキツネ」ですよ。お客様にもお洒落にも気を抜かないヤギさんです。

おでんの他に気になるのは「トマトのおでん」「海苔のおでん」「おじん&うでん」「お出汁巻きマフィン」、なんだ、ほぼ全部じゃないか。
だって魅力的でしょ?

でもここでお別れです。気になる料理はまた今度。
そして次なるお店へ行ってきま〜す。

ここでご紹介しましょう!
立石マイスター、宇ち中さんです。

立石初心者のワタクシ、本日は宇ち中さんにご案内していただきます。まずは宇ち中さんの“立石歴”を。2003年に会社の先輩から誘われて訪れた「宇ち多゛」にすぐさまハマり、毎夜、新橋(当時の会社の場所)→立石(呑む)→桜新町(当時の住まい)の生活を2011年に引っ越すまで続けていた。葛飾区住民になってからは平日週末問わず立石で呑んだくれ、いつしか立石マイスターに。

その宇ち中さんをもってしても「まだまだ知らないことだらけ」というから、恐るべし立石!

おでん「丸忠」から住宅地を歩くこと10分、2軒目は「四ツ木製麺所」です。うどんもつまみもおいしくて、これまた呑兵衛にはたまらないお店です。

これが出された瞬間、宇ち中さんが歓喜の雄叫びをあげました。
マグロのサクを湯がいて作る「ツナサラダ」です。食べた途端、私も雄叫びをあげました。尋常じゃないおいしさです。これ、良い鮪が入った時だけ作るのでいつもあるわけじゃないのに、宇ち中さんが来るからと用意してくれたのです。
こういう優しさ、たまらないな〜。

マスターの守田良一さんです。
30年以上、手打ちと足だけで生地を作る製麺所を営んできた守田さん。5年前に四つ木から移った経緯にも人情あふれる話がありました。人の想いにあふれた店に人が魅了されないわけがありません。

「むらさき芋のレモン煮」は酸味がほどよくていくらでもいただける。

ここでは静岡茶で割った「しぞ〜か割り」がオススメ。お茶が濃くてスルスル呑めます。

常連さん定番の「フライド大根」。

噛めば中からじゅわ〜っと大根ジュースが広がり、やめられない止まらない。そんなお客様たちを、守田さんはちょっと奥に立って微笑みながら見守っています。

酒呑みの気持ちをよ〜くわかっている絶品つまみを考案するのはおとみさん。
メニューの上から下まで“大人食い”したいのに、そろそろはしごタイムとなりました。

うどん屋さんにいながら、うどんを食べないってびっくりだけど、これもはしご酒ならばありか。

まだシメちゃいかん、ということで葛飾産の小松菜を練りこんだ世にも美しい「小松菜うどん」はお持ち帰りします。

守田さんから頂いたバッジは次回忘れずに付けてきますね!

通り道にあった超人気店「鳥房」。次回のお楽しみにしようと思ったのに……、

おいしい匂いに呼ばれて足がついフラフラ〜っと……、結果はのちほど。

3軒目は店名からして面白い「串揚げ100円ショップ」に到着。
店主も楽しい方で常連さんの宇ち中さんが定位置についたら「いつもの4本でしょ」と。

「大根」は絶対に食べなければいけません。
トロンと炊いた大根が甘いのなんのって。塩が合う〜。そして揚げ方が天才的!

絶品トリオの「こんにゃく」「紅生姜ロール」「里芋」です。
濃いめに甘辛く炊いた「こんにゃく」を揚げるとこんな食感と味わいになるのか!

「紅生姜ロール」は紅生姜を豚肉で包んでいます。
おいしいに決まってます。ソースはつけると怒られます。

ホクホクの「里芋」はソースをつけて。
ソース、持ち帰りたいくらいおいしいです。キャベツなんてひと玉くらい食べられそう。

左から「もちチーズ」「ピーマン」「しいたけ」。衣が薄くてとっても細かいのでクリスピーなんですよ。

これがこのお店で守るべき約束ごと。

例えばQ「私はミシュランの調査員ですがあなたのお店を調査してもいいですか?」A「お断りします」がフランス語で書かれていたりと、思わず笑ってしまいます。
もしかして店主はツンデレ?

本日の立石呑みはこれにて終了。

はしご酒って1軒でどのくらい呑んで食べれば良いのかわからないのよね。
すると「マイペースが一番じゃないですか。何回も立石に通っているとその感覚がわかってくるんですよね」と宇ち中さん。なるほど、それは自然と作られていくものなのね。

さて、立石呑みのアフター、スタートです。

「鳥房」で買った大きめの「半身揚げ(時価:これは700円)」、お持ち帰りしてしまいました。

皮はジューシーでパリッとではない。おそらく帰宅までに1時間半くらい経っていたからだと思われますがこれもまた良し。
肉は塩味が効いてうまいのなんのって。あっという間に完食。

酔っ払いが茹でたので、ところどころ塊となってしまった「小松菜うどん」。

しかしモチっと感と香りが最高! ただし酔っ払いは5人前すべて茹でてしまったという……。ちなみに写真は1.5人前くらい。

今日の一句、「立石は知れば知るほど奥深い!」

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高橋綾子

たかはし・あやこ●フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレス時代から培った〝食″へのこだわりは、舌の肥えた業界人も頼りにするレベルの高さ。年間1000を超えるという外食の日々が築き上げたおいしいもの好きが嵩じて、ついに2018年2月に東京・下北沢にてレストラン「üchï(うち)」をオープン。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。
Facebook→https://www.facebook.com/ayako.takahashi.1671

uchi→http://uchi.tokyo/

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