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高橋綾子「綾子のギョーカイ総受けグルメ手帖」
「綾子さんに聞けば間違いない!」――美味なレストランも気の利いた手土産もとびきりのお取り寄せも、おいしいものには死ぬほどうるさいギョーカイのみんなが頼りにするのが、フードパブリシスト高橋綾子のグルメ手帖。誰もがうなる美味の数々を惜しげもなく公開します!

ホルモンをコース料理にしちゃうなんてアリ?〜三百屋お弐階

ホルモン屋さんってどんなイメージですか?

おいしい匂いと煙がモクモク、みんなでワイワイ食べて飲んで元気になる、という感じでしょうか。
確かにそんなホルモンの楽しみ方もあるけど、厳選した上質なホルモンを少量ずつコース料理でいただく楽しさを教えてくれたのが、ここ「三百屋お弐階」でした。

弍階というくらいだから当然1階がありまして、こちらは希少部位をはじめ常時25種類以上のホルモンがいただけると、評判のホルモン屋さんです。

前述のイメージ通り、おいしい匂いに呼ばれてみんなでワイワイというお店。
お弐階へ行くには1階の脇にある階段を上ります。

お弐階のテーブル席です。グレードは高めだけど背筋伸ばさなくてもいい雰囲気。

お誕生日席を作れば5人ギリギリいける個室です。が、声はダダ漏れなので秘密の話はできません。

メニューは前菜からデザートまで9品5,500円(税込)の「大将おまかせコース」のみ。

当日予約もできるのがカウンターで、料理長の徳江 威(とくえ たけし)さんがじかに焼いてくれるので実は特等席(2名まで)かも。
徳江さんはソムリエの資格もあるので私はペアリングをお願いしちゃいます。
カウンターだとお肉を見ながら徳江さんからお肉やワインのレクチャーを受けたりできるので私は基本、カウンター派。

見てください!
うまそうな肉のお刺身が登場です。
左から時計回りに実況生中継しますよ。

「ハツ」はごま油と塩で味付けしてありました。これは予想通りの味わい。
「サガリ(ハラミの一部)」はサクっと歯切れよく淡白であっさりしています。
次に「ツラミ(ホホ肉)」いきます! 食感はつるっとしていますが、ひたすら噛み続けると濃厚な肉と脂を味わえます。希少部位だしマニア受けするタイプ。
最後は「ミノの湯引き」です。味は豚しゃぶ、食感はコリッと。これ、好きだなぁ。

そぎ切り、押し切り、肉の目に沿ってそれぞれの部位に対していちばん良い切り方をする。
「日本の肉はそれ自体がおいしいのであまり熟成はしていません」とのこと。
確かに、十分おいしいです。

さて、焼きます!

最初は塩モノ。左下から「タン」「シビレ」「タンスジ」「ホルモン」「ハラミスジ」、お皿に入ったのが「ミノ昆布醤油漬け」です。(写真は4人前)

「タン」は本当に綺麗な味。
歯切れ良く、旨みもたっぷり。それでいて淡白なので4枚なんてペロリです。

お次は「タンスジ」「ホルモン」「ミノ昆布醤油漬け」、いきま〜す。

「タンスジ」はコリコリッと噛みごたえ十分。同じタンなのに食感は真逆ってところが面白い。
「ホルモン」は皮面をよ〜く焼きましょう。脂はトロンと溶けちゃうので口に残る皮が決め手なんだな。
「ミノ」は確かに昆布味が鼻に抜ける。新鮮なミノは食感だけを感じ、味わいは昆布で楽しむってヤツです。

牛スジファンなら泣いて喜ぶ「ハラミスジ(上写真 左)」は、濃厚な香りとハラミ特有の甘くてさっぱり味がたまらない。ふっくらした食感の「シビレ(上写真上 )」、別名リードヴォーは脂肪たっぷりとろけます。

新鮮さが重要な「塩焼き盛り」、ホルモン第一線を10年以上続けてきたからこそ、仕入れ先との信頼関係が築かれ、これだけ上質な食材が手に入るってことなのね。

焼物の第二陣は「厚物、上物(写真は4人前)」。この迫力に圧倒されます。

あぁ、お肉の色ってなんでこんなに魅力的なんでしょう。そして塊で仕入れているからこんな大胆な切り方ができるのです。

と、その前に。
侮れないのが野菜。

お肉をたんまり食べているので、ちょっとリセットする意味でも野菜は重要。
飾り的にのせているだけかと思ったら、これがかなりおいしい。
おいしさの秘密を訊くと、「炭火で抜群の火入れをしたから」だって!

よし! いざ、再びお肉の世界へ戻ろうではないか。

厚切りたちは塊のまま、ど〜んと網の上に置き、両面を焼いてからカットします。
これは切った後のひと口サイズの「厚切りアカシン(上写真 左)」と「厚切りハラミ(上写真 右)」。
アカシンとはあまり出会ったことがなかったが、脂はほとんど感じず、肉を食べてる〜と実感させられる。

「厚切りハラミ」焼けました〜。トゥルントゥルンの舌触り!
こんなに厚いハラミは他にないです。

あぁぁぁ、このハラミの肉質はなんということだろう。やわらかく、弾力もあり、そして何よりしっとりとして、程よい脂を感じる。
まるでステーキのようではないか。

この「イチボ」はヤバいです。さっと2秒炙るくらい。
そんなにサシが入っていないのに、口にすると一瞬にして溶けてしまうのに余韻は残る。

本当に良い肉だ。

この方が料理長でありソムリエの徳江さん。
洋食で腕を磨いてきたがお肉が大好きだったから焼肉道へ転換してしまったそう。ビールやサワーを合わせがちなホルモンをワインで楽しむという新境地を開拓してくれます。

ワインと合わせるちょっと高級感のあるホルモン屋さん。
それが「三百屋お弐階」。

私のホルモンイメージをすっかり変えてくれたお店です。

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高橋綾子

たかはし・あやこ●フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレス時代から培った〝食″へのこだわりは、舌の肥えた業界人も頼りにするレベルの高さ。年間1000を超えるという外食の日々が築き上げたおいしいもの好きが嵩じて、ついに2018年2月に東京・下北沢にてレストラン「üchï(うち)」をオープン。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。
Facebook→https://www.facebook.com/ayako.takahashi.1671

uchi→http://uchi.tokyo/

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