よみタイ

世界共通の教訓から人類の真実が見えてくる!? 似た意味をもつ「世界のことわざブラザーズ」が教えてくれること

女心と秋の空〜変わりやすいもののたとえ

「変わりやすいもの」をたとえたことわざも、世界中に存在します。

●世界のことわざブラザーズ

晴れた夜空に夏の雲、女の恋心に坊主の分別(イタリア)

3日の留守で女心は他所よそへ行く(タイ)

女心は里芋の葉の露(タイ) 

晴れた空と笑っている女は信用できない(スウェーデン)

女心は南風 (スペイン・フランス)

風と女と運命は月のように変わる(フランス)

女の心はネコの目 (ドイツ)

秋の夜には9人の息子(エストニア)

エストニアの「秋の夜には9人の息子」は、秋の空が変わりやすいことを、性格の異なる9人の兄弟が一つ屋根の下で暮らしている様子にたとえたことわざ。
その他は、日本でも「女心と秋の空」と言うように、捉えきれない女性の心と、移ろいやすい自然現象を重ね合わせたものが多いようです。
タイには、「3日の留守で女心は他所へ行く」なんていうことわざも。これを作った人(おそらく男性でしょう)の身に一体何が起きたのか、気になるところです。

これらのことわざブラザーズを並べてみると、古今東西、大昔から、コロコロと変わる女心に男性たちが翻弄されてきたことがわかります。
文化や時代を超えた共通の人間模様におかしみを感じる一方で、女性は誰もが移り気だと決めつけるような表現に違和感を覚えた人も少なくないのでは? 男性でも優柔不断な人や気分屋の人はいる、性別は関係ない、と。

ことわざは、人々の生活の中から生み出されて、多くの人が共感・納得したものが生き残り、代々伝えられてきた格言です。それゆえ、時代や地域において、影響力や発言権の大きかった側の意見が多く反映されてきた、ということが関係しているのではないでしょうか。
現在残っていることわざには、男性視点のものが多くありますが、社会の変化とともに視点の偏った表現はだんだん支持されなくなっていき、これからは性別を超えて共感できることわざだけが残っていくのかもしれません。

* * *

以上、きょうだいのようにそっくりな意味を持つ、「世界のことわざブラザーズ」でした!

世界には似たような意味をもつことわざがいくつもあります。それだけ世界中の人が同じようなことを感じたり、悩んだりしてきたということです。
今のようなグローバルな時代になるずっと前から。
「世界のことわざブラザーズ」を知れば知るほど「人類みなブラザーズ」が実感できるかもしれません。

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