2020.5.30
世界共通の教訓から人類の真実が見えてくる!? 似た意味をもつ「世界のことわざブラザーズ」が教えてくれること
この連載をまとめた『まんが アフリカ少年が見つけた 世界のことわざ大集合 星野ルネのワンダフル・ワールド・ワーズ!』が5月26日に発売されました!
アフリカ生まれ、日本育ちの漫画家・星野ルネさんが、世界のことわざを集めてユーモアいっぱいに考察。くすっと笑えて、タメになる1冊です。
今回は、この本の中から、日本のことわざと同じような意味をもつ世界のことわざ、名付けて「世界のことわざブラザーズ」を集めました。本には収録しきれなかったことわざもまとめて紹介します。
場所や時代を超えて語り継がれている世界共通の教訓には、人類の真実が隠されている……かも!? 奥深いことわざワールドをご堪能ください!
(構成・文/よみタイ編集部)
船頭多くして船山に上る〜指図する人が多くて、物事がまとまらないこと
「船頭多くして船山に上る」は、「指図する人が多くて、物事がまとまらない」という意味のことわざです。
職場で、家庭で、思い当たる場面がある人は多いのでは?
そうした経験は世界中の人に共通するようで、このことわざには“ブラザーズ”たちがたくさん!グループ分けしてご紹介します。
まずは、料理にまつわるものから。
日本のことわざは「船上」のたとえですが、似たような意味をもつ世界のブラザーズには「台所」を舞台にしたものが多いのです。
調味料や油をやみくもに増やしたところでおいしい料理は完成しない。そんな普遍的な生活体験がそのまま表現されています。
ポーランドの「炊事女が6人いるところに食べる物はない」は、6人でムシャムシャと料理を食べつくしてしまう……ということではなく、「味付けや手順でもめて、いつまでも料理が出来上がらない」という意味です。
似たようなところでは、「家に主婦が二人いると埃が膝まで溜まる」(イラン)も。
「誰かがやるだろうと思って、人任せにしてはいけない」という教訓も含まれていることがわかります。
次は医療にまつわるもの。いずれも命にかかわるたとえで、なかなかシビアです。
料理や医療関連以外にも、「7人の乳母では子どもに目が届かぬ」(ロシア)、「僧多くして寺廃れる」(インド)、「7人の大工が建てる家は神様でもどうにもならぬ」(バングラデシュ)などがあります。
世界にはイニシアチブを取りたい人(そして、そういう人に振り回されて困っている人)がたくさんいるのですね……。