2020.9.4
鈴木光司『海の怪』刊行記念 スペシャル対談~ゲスト 稲川淳二
「よみタイ」連載時から話題を呼んだ新刊『海の怪』は、25年に及ぶ鈴木光司さん自身の航海経験を中心に、海の仲間たち、知人友人から聞いた話をベースとしたもの。底知れぬ海の魅力と、海をめぐる無限の恐怖が入り混じる18エピソードが収録されています。
このたびの刊行を記念して、かねてから親交が深く、鈴木さんが「師匠」と呼ぶ怪談家の稲川淳二さんとの対談が実現!
稲川さんからは、学生時代の海辺での恐怖体験談、さらにその話にまつわる悲しいエピソードが、鈴木さんからは、本書収録「言われるがまま」の下地となった実話怪談がお披露目となりました。
撮影現場のスタッフ全員が凍った2話、心してお聴きください……。
『海の怪』刊行記念 スペシャル対談! 鈴木光司×稲川淳二
全国各地で開催される怪談イベントは常に大盛況、怪談家として突出した人気を誇る、あの稲川淳二さんをお迎えしての対談が実現。旧知の間柄ながら、本格的に話すのはこれがほぼ初めて。
「自分の船で海に出る思いを果たすために小説家になった」鈴木さんと、「海に憧れはあるし温泉や水割りは好きだけど、水はダメ、広い海が怖い」という稲川さん。
久しぶりの対面とは思えないほど、冒頭から海の話で盛り上がりを見せました。
まず、稲川さんからお披露目されたのは、数十年前の夏に行った西伊豆での話。
さすがの語り口で、撮影現場は水を打ったように静まり返り、スタッフ全員が聴き入ります……。
昼間の浜辺で友人たちと遊んだのち、夜になって民宿へ戻る彼らを見送り、稲川さんだけが残ることに。岩場でいつの間にか居眠りをし、ふと目覚めると……。
稲川さんからもたらされた恐怖の余韻に浸っているうちに、鈴木さんの実話怪談へ。取り上げたのは、連載時でも特に人気が高く、本人も印象深い体験だったという本書収録の一篇「言われるがまま」。
沖縄への航海の途中、和歌山で温泉に行こうと仲間たち数名と上陸。レンタカーのカーナビの指示通り、山間の宿へ向かおうとするものの……。
文字で読ませる怖さは小説家ならではながら、意外?と申し上げては失礼か、恐怖の起承転結を踏まえた鈴木さんの語りの巧みさに、またもやスタッフ一同が引き込まれるまま撮影は終了となりました。
本も怖い、動画も怖い!
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