2020.1.4
謹賀新年! 著者・明先生が新年に読んでほしい「ツアーナース」思い入れたっぷり8選
喘息発作のエピソードから子育てについても考えた『グローイング・アップ」
「このエピソードの中には、『喘息発作が起きたけれど、自分で発作時の吸入薬を使えない』子どもが出てきます。彼女の場合は、普段はいつもお母さまが全部やってくれていて、自分で使う機会がなかったのが大きな原因でした。
可愛い娘さん、息子さんです。できるだけ手をかけてあげたい気持ちはよくわかります。私も姪っ子ちゃんのためなら何でもしてあげたいですから。でも、子どもたちは成長するにつれて、お母さまやお父さま、大人の目の届かないところにいる時間も増えてくる。そんな時に自分で自分の身を守れる最低限の力をつけてあげて欲しいなと思って描きました。
『この漫画を読んで初めて、今まで子どものことを全部やってあげるのが当たり前だったことに気づいた』『娘のために、自分でさせることも大事なんだと気づいた』などの声をいただけたことが、と―――――――――――――――――――――っても嬉しかったです。ありがとう( *´艸`)」
涙なくして読めなかった、第22回『つながるいのち』
多くの読者が涙した回でした……。
「昨年の3月、年下のいとこが心臓病でなくなりました。その直後に、このエピソードを描いたのですが、悲しくて、辛くて、寂しくて、ネームも本番の原稿も泣きながら描きました。いとこに伝えたかったこと、ずっと大切にしてきた思いを込めました。頑張るから、ずっと見ていてほしいです」
可愛く描けたことも思い出深い、第26回『クロス・ザ・ボーダー』
「このエピソードには、二人の女の子が出てくるのですが、どちらも可愛く描けたのがたまらなくうれしいです。漫画を描いているとき、気がつくと私もその登場人物と同じ表情になっているのですが、この回は二人の女の子が可愛くて、始終ニコニコしながら描いていました。そして、2019年は、イギリス、イタリア、タンザニア、ブラジル、ペルー、タイ、韓国出身の子どもたちと出会ったのですが、やはり日本語が話せない子もいました。その時に、コミュニケーションスキルのひとつとして『絵を描けるって最強!』と思いました」
長期休みの終わりに読んでほしい、第44回『あの時はなしてくれた君へ』
まもなくお正月休み、冬休みが終わるころ。だからまた読んでほしいという思いがある回です。
「子どもの自殺は、『長期休暇』の後に増えるというデータがあります。このエピソードは夏休みが終わる前に描いたものですが、夏休みだけじゃなく、冬休みも、春休みも、あるいは風邪で数日間休んだ後にも、起こりえることです。そして、そう思うのは子どもだけじゃないかもしれません。だから、今こそもう一度読んでほしいですね」
いかがでしたか? 先生に選んでいただいた8つの回。それぞれのエピソードを読むだけでもグッときたのではないでしょうか? そして、最後に明先生から新年のメッセージもいただきました!
「いつも『漫画家しながらツアーナースをしています』を読んでくださっている方も、初めての方もありがとうございます。そして、あけましておめでとうございます。
今年はねずみ年、知恵を働かせて干支の一番最初になったねずみのように、今よりちょっと賢く要領よく生きたいな、というのが今年の目標です。でも、いっぱい悩んだり泣いたりしながら、泥臭く粘り強く生きる自分も嫌いじゃないので、自分らしく、精いっぱい、いろんなことに挑戦しながら、よい一年にしていきたいと思います。
みなさんの素敵な一年の一部として、この作品が寄り添えたらうれしいです。今年もどうぞよろしくお願いいたします」
「ツアーナース」にはこの他の回も、泣けるのはもちろん、読んだら“勉強になる”“元気が出る”お話がたくさんあります! ぜひ新年のお休みに過去回をしっかり読み込んでいただけたら! コミックス1巻も大好評発売中です!