よみタイ

Jリーグ開幕! 長崎・玉田圭司は自信を持つ。「結果を求めながらも楽しむ。今シーズンは期待してもらっていい」

2020年Jリーグが、今日2/21に開幕! 
"キングカズ"こと三浦知良選手(横浜FC)の13年ぶりのJ1復帰など、話題も多いシーズン。チームの中心選手として輝くベテラン選手も少なくない。
そんなひとりが、昨年よりJ2のV・ファーレン長崎でプレイする玉田圭司選手。
『鉄人の思考法 1980年生まれ、戦い続けるアスリート』(集英社)で玉田選手を取材した、スポーツライター二宮寿朗氏がシーズン前のキャンプを訪れ、不惑を迎える新シーズンへの意気込みを聞いた。
キャンプでの一コマ。今年40歳、ますますカッコよさに磨きがかかる! ©︎VVN
キャンプでの一コマ。今年40歳、ますますカッコよさに磨きがかかる! ©︎VVN

宮崎キャンプでの玉田の表情は明るかった!

 空気が重くて、ため息が深くて。
 2019年11月――
 「よみタイ」で連載した『1980年生まれ、戦い続けるアスリート』を書籍化するために、記事を掲載した選手たちの「その後」の情報を集めたり、取材していたりしていたころ。2019年シーズンをハッピーエンドで終えることができなかった玉田圭司は生気を失っているように感じた。
 J2のV・ファーレン長崎に移籍し、J1返り咲きに意欲を燃やしていた。だが、ニッパツ三ツ沢球技場での横浜FC戦に敗れてプレーオフ圏外が確定し、失意のまま取材エリアに現れた。
「まだまだチームが未熟だということ。(J1に上がれなかった)いまを一人ひとりが受け止めなきゃいけないとは思いますね」
 唇を噛み、目はどこか焦点が定まらない。自分に言い聞かせるように訥々と語った。

 あれから3カ月近く過ぎた1月下旬。
 会うのは、あの三ツ沢以来。V・ファーレンはキャンプを沖縄から宮崎に場所を移していた。39歳の玉田はコンディションも良さそうで、何より表情が明るかった。
 リオデジャネイロ五輪代表監督の手倉森誠監督を迎えた1年目は12位にとどまったものの、2年目のチームには玉田自身の期待も膨らんでいた。

 トレーニングを終えた彼と、ちょっと立ち話をすることができた。

「期待してもらっていいんじゃないかって思うんですよ。去年12位で終わって、世間的にも“長崎どうなの?”って(懐疑的に)見ている人も少なくない。自分のなかでは“覆したい〟って思っているし、このクラブはもっと大きくならなきゃいけないとも思っているんで。新しいシーズンが楽しみでならないですね」

 チーム全体を底上げする補強にも成功している。最終ラインから前線まで。コパ・リベルタドーレス優勝経験のあるブラジル人アタッカーのルアンは注目されている一人だ。玉田も「ルアンはうまいですね。一緒にやっていて、楽しいです」と笑みを向ける。

 3カ月前の絶望から、希望へ。
 この期間に何があったのかと尋ねると、実は1年でのJ1返り咲きがついえた横浜FC戦の後に「いろいろと感じたことがあった」という。

 つまり、その後のその後。

「プレーオフ出場が途絶えたなかで、残りのリーグ戦で何を目指していけばいいんだろうって思ったんです。大事な試合じゃない試合はないし、大事じゃない日はない。とにかくプレーを、サッカーを楽しんで来年につなげようと思っていたら“ああ、この感覚だよな”って。シーズンの最後のほうが自分のプレーを出せているなって感じることができたんです。元々、意識してきたものなのに、薄れていたんじゃないかって」
 
 そう、それはプレーを楽しむこと。日ごろの練習からサッカーを楽しむこと。
 サッカーを楽しもうとするからアイデアが出てくる。チームにもいい影響を与えられる。
 いつも心掛けていたつもりではあったが、19年シーズンは昇格ばかりに意識を向けてしまっていたのだと気づかされた。

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二宮寿朗

にのみや・としお●スポーツライター。1972年、愛媛県生まれ。日本大学卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社し、格闘技、ラグビー、ボクシング、サッカーなどを担当。退社後、文藝春秋「Number」の編集者を経て独立。様々な現場取材で培った観察眼と対象に迫る確かな筆致には定評がある。著書に「松田直樹を忘れない」(三栄書房)、「サッカー日本代表勝つ準備」(実業之日本社、北條聡氏との共著)、「中村俊輔 サッカー覚書」(文藝春秋、共著)など。現在、スポーツ報知にて「週刊文蹴」(毎週金曜日)、Number WEBにて「サムライブル―の原材料」(不定期)を好評連載中。

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