2019.1.11
男子の憧れ。レースクイーンは本当に消滅してしまうのか!?
数や人気、役割……日本やアジアでは、レースクイーンは進化していた!
レースクイーン歴5年、2016年日本レースクイーン大賞グランプリの経歴を持つ清瀬まちさんは言う。
「日本のレースクイーンは独自のものだし、わたしたちはチーム、そしてスポンサー企業の看板を背負っているという自負があります。スポンサー企業のロゴが入った衣装を着て、サーキットではいろんな業務にあたっているし、それ以外でも撮影会を開催したり、日本の有名なアニメがジョイントして、コスプレ色を前面に出したチームもあったり、アイドルユニットを組んでライブも行ったりして、各チームごとに飽きさせない工夫をしています。
わたしたちレースクイーンを通じて、カーレースファンでなくとも、サーキットに足を運んでほしいっていうアピールも欠かしてません。たとえば、スーパーGTの開催地のひとつであるタイでは、日本のポップカルチャーが流行っているので、すごく盛り上がってくれるんですよ」
昨年の日本のレースクイーン総数は、スーパーGTで約180人。そのほかのカテゴリーを含めると、スーパーGTと他カテゴリーで兼務するレースクイーンがいるため、のべ400人を数えるという。事情に詳しい「オートスポーツweb」の磯田隼人さんも、清瀬さんに賛同する。
「1990年代後半~2000年代初頭にピークを迎えた後、リーマン・ショックの影響で総数は100人足らずまで落ち込みました。今は1チーム6人まで許可される緩和がなされたことで、日本のレースクイーン・フォーマットは、再び盛り上がりを見せています。
面白いのは、ここ3年ぐらいで、家族連れで来ているお客さんたちの中にレースクイーンのファンが増えだしていること。あるお母さんがレースクイーン好きな娘さんのために、ひいきにしているチームの新コスチューム発表会に毎年足を運んで写真を撮り、毎回、ほぼ同じ形であつらえているんですよ。もともと、スーパーGTを主宰しているGTAがキッズファンの獲得のために注力していることもあり、予選の最後に開催されるキッズウォークというイベントでは、レースクイーンと一緒に記念撮影するファミリーも多いんです。
レースクイーンのコスチュームや本人のファンとして追っかけを続けている女性が増えているのも、昔では考えられなかった光景です。新たな時代を迎えつつあるように思います」
世界のトップであるF1は時流に乗ってサーキットから “華”を削除した。だが、日本は逆だ。年間約40万人が観戦する大人気のスーパーGTを主として、レースクイーン文化はシュリンク(収縮)するどころか、ひろがり、そして進化を見せているのだ。
(第2回に続く)