2020.4.25
4月25日は「落とし物の日」! 文学界の異才・せきしろ氏が放つ落とし物妄想ストーリー5選
実は、1980年(昭和55年)のこの日、東京・銀座で1億円の現金が入った風呂敷が拾われ、警察に届けられたことから「拾得物の日」「落とし物の日」と制定されました。
なお、このときの1億円は落とし主が現れなかったため、当時の法律に則り6か月の保管期間を経て、拾い主の男性のものとなりました。
所得税約3,400万円を引いた6,600万円がこの男性の手元に残ったそうです。
さて、落とし物といえば、「よみタイ」の大人気連載「東京落物百景」。
作家・せきしろ氏が、東京の街中で本当に見つけた落とし物から、ときにユーモラスに、ときにセンチメンタルに、あれこれと妄想するノンフィクション・ショートストーリーです。
今回は「落とし物の日」にちなんで、これまでの連載の中から特に印象的な5つの落とし物を厳選してご紹介します!
コードが絡まったイヤホン
出先でイヤホンを使おうと持ったのに使えなかった……そんな経験のある人は多いはず。
せきしろさんはそんなイヤホンにまつわる「悲劇」を5つに分類します。
はやる気持ちを抑えながら早速ポケットや鞄からイヤホンを取り出すのだが、この時大きく分けて5つの悲劇に遭遇することがある。
①イヤホンがない(忘れた)
②イヤホンがない(落とした)
③イヤーピースがない
④断線している
⑤絡まっている
あるあるですね。
そして、持ち主の期待に応えられず、悲しく路上に取り残されたイヤホンを見かけることも、よくあります。
そういうイヤホンは、道端に持ち物を落とすという持ち主のスボラさを表すように、たいていコードが絡まっているものです。
でも、最近はコードレスのイヤホンが普及してきました。
コードの絡まったイヤホンの落とし物が、貴重な発見となる日もそう遠くはなさそうです。
そのぶん、コードレスイヤホンを落とす人は増えそうですが、こちらは従来のコードがこんがらがったイヤホンに比べると、見た目の存在感がいまいち。
これからは、道の片隅に、誰にも見つけられずにひっそりと横たわるコードレスイヤホン(おそらく片割れ)が増え続けていくのでしょうか……。