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発達障害女性が、なぜか行く先々でモテてしまう理由とは……?『ダメ恋やめられる!? 発達障害女子の愛と性』人気回試し読み

発達障害女性が、なぜか行く先々でモテてしまう理由とは……?『ダメ恋やめられる!? 発達障害女子の愛と性』人気回試し読み

既婚者と付き合い大ダメージを受ける

 その後、リナさんは取引先の既婚者に言い寄られて不倫をしてしまう。この経験がリナさんにとって一番ダメージの大きな恋愛だったという。

「相手はまだ結婚数年目で子どももいなかったんです。だから、今ならやり直して私と結婚してくれると思いこんでしまって。自分としては不倫をしているという感覚より、もしかしたら私を選んでくれるかもしれないから頑張っていた、という感じに近いです。既婚者なので土日は基本会えないのですが、突然会える時もあるのでいつお誘いが来てもいいよう、土日を空けて過ごしていました。それと、彼の家の近くで一人暮らしも始めたんです。会えないことも多いので、そんな日は一人暮らしの部屋で泣いて過ごしていました」

 しかし、不倫が始まり半年ほど経っても何も進展がない。そこで「もうこの人は何も行動しないだろう」と思って諦めた。それが非常にしんどく「不倫 やめたい」でネット検索をして女性専門のカウンセラーを見つけ、そこに通い始めたという。認知行動療法などを受けて、不倫を客観的に受け止められるよう努めた。料金は1時間1万円と高かったが、その分効果があり、彼のことをなんとか断ち切ることができたそうだ。

発達障害の特性で距離を詰め過ぎてしまう

 その後もリナさんのモテはとどまることを知らず、弟の小学校の同級生やイベントで知り合った人、会社の同僚などに言い寄られては付き合った。

「本当に何人もの男性から言い寄られるので、付き合おうか悩んで体だけの関係になってしまった人もいました。この頃、25〜26歳だったのですが、周りから『婚期を逃すぞ』と脅されるように言われて一番やさぐれていましたね。週7で合コンに通ったりしていました。私、お酒を飲みすぎると大胆になってしまうので、気づいたらホテルで昨夜一緒に飲んでいた男性が隣に寝ていた、なんてこともありました」

 一見すると「ヤリマン」のようだが、リナさんは自分でそうしたくてしていたわけではなさそうだ。リナさんの男性関係には必ず「自分からは望んでいないのに」という枕詞がつく。しかし、そんなやさぐれ期も終了し、とあるイベントで出会った男性と1年間付き合い、3年前に結婚した。結婚の決め手は、地元が同じだったり、職場が近かったりと、共通の話題が多く、とても真面目で信頼できる人だったからだそうだ。

「でも、結婚は正直すごく悩みました。一番は適齢期に結婚したい思いが強くて結婚した部分もあります。あとやっぱり、自分を選んでくれることへのありがたみがすごいあって。それまでも言い寄ってきた人は何十人どころじゃない気がするんです。もう思い出せないほど。でも、そういう人たちに私はなめられているだけだと思う。こいつなら受け入れてくれそう、みたいな。
 私、基本的には人見知りなのですが、距離感がうまくつかめない部分があって、突然距離が近くなってしまうんです。発達障害に特有の親しげな距離の詰め方と言えばいいのか……。それで、定型発達の人より仲良くなった印象を男性に与えやすい。『俺にはこんな一面を見せてくれるんだ』みたいな。それで、学生時代の長期インターンをしていた際もそこの会社の人に迫られたり、会社員時代も取引先の人に迫られたりして断れなくて関係を持ったことがありました。ああ、この人、私をそういう目で見ていたんだと思うとショックで自己肯定感が下がってしまって。でも、今の夫はそういう意味ではまともで誠実な人なのでありがたいんです」

 紆余曲折あったなか、ようやく幸せな結婚生活を手に入れたリナさん。しかし現在、夫とは別居中だという。一体何があったのだろうか……。

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集英社 価格 1,100円(10%税込)
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嘘をつけない、空気を読めない、移り気、言われたことをそのまま信じてしまう……。
発達障害の特性によって、恋愛というクローズドな関係性において問題を抱えてしまう女性たち。
セフレ、二股、ヒモ、ホス狂い……彼女たちが「ダメ恋」にはまってしまうのはなぜなのか。
一見「モテ」ている彼女たちが直面している、セクハラ、モラハラ、DV被害の数々が明らかに。
『私たちは生きづらさを抱えている』『発達障害グレーゾーン』などの著書があり、自身も発達障害当事者のライター・姫野桂さんが、10人の発達障害女性の恋愛事情に迫ったよみタイの人気連載が、電子オリジナル書籍として配信開始!

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※本作は電子書籍のみでお読みいただける電子オリジナル作品です。

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新刊紹介

姫野桂

ひめの・けい
フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)、『生きづらさにまみれて』(晶文社)がある。

Twitter @himeno_kei

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