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体から入る恋愛はダメですか……? 電子書籍配信開始!『ダメ恋やめられる!? 発達障害女子の愛と性』人気回試し読み 

体から入る恋愛はダメですか……? 電子書籍配信開始!『ダメ恋やめられる!? 発達障害女子の愛と性』人気回試し読み 

 体の関係から発展するエリカさんだが、そのことから交際中に価値観が合わなくなって別れた相手もいるという。

「いざセックスをしようとなってゴムを着けた途端、彼が乗り気じゃなくなって中断せざるを得ない状態が半年くらい続きました。それで、最後までできないことで相手の方が不機嫌になってしまって……。もちろん、その半年間でどうやったら最後までセックスができるかいろいろと話し合いをしましたが、それでもダメでした。私の方も半年もできないと欲求不満になってしまい……。女性用風俗が流行っていたのでそういうサービスを利用したり、ハプニングバーに行ってみたいと思い始めました。そこで、セックスができない状態が続くなら他の人としてみたいと伝えたら彼が激昂したんです。言語でのコミュニケーションが苦手だから体でコミュニケーションを取っているのに、もともと体を求めていたはずの相手側から別れを切り出されてしまいました」

 エリカさんにとってのセックスは何よりも重要なコミュニケーション方法なのだ。
 私の知人男性は妻とセックスレスだが、子供が欲しかったので体外受精をしたと言っていた。セックスレスや体の相性が悪くても、それ以外のコミュニケーションで関係性を保っている夫婦やカップルも、定型発達者の中には多くいる。

ネットワークビジネスの人は対等に話を聞いてくれる

 エリカさんは上京前、とある地方都市に住んでいた。その頃に何十社という数のネットワークビジネスの勧誘を受けたという。言われたことを言葉通り素直に信じこんでしまう特性を持つ発達障害の人はこのようなネットワークビジネスのカモにされやすい。しかし、エリカさんは騙されたとは認識しておらず、勧誘する側は自分と同じようにコミュニケーションで悩みを抱えている人が多かったことから、そこが居場所のような役割を果たしていたという。

「今から5〜10年前は自己啓発系の講演会が盛んに行われていました。また、個人でカウンセリングやセラピーを行っている人もたくさんいました。当時は人間関係で躓くことが多く、誰かに話を聴いてもらいたくて……。でも、カウンセリングやセラピーだと何万円もお金がかかってしまいます。それに比べるとネットワークビジネスの人たちは、話を聴いてもらった結果、製品を勧められたり買わされたりすることはあっても無償で話を聴いてくれます。それに、製品が余っているときは頼んでもいないのに無料でもらえることも多くありました」

 「ネットワークビジネスは対等に話を聴いてもらえる」。コミュニケーションに難があってなかなか人と心が通じ合えない人にとって、相手の目的がはっきりしているぶんある意味気が楽で、心の拠り所になっていたのかもしれない。実は私も以前、先輩に誘われて参加した合コンの幹事がネットワークビジネスをやっており、後日お茶に誘われて勧誘されたことがあった。私の場合、ネットワークビジネス=お金をふんだくられて、ねずみ講のように他の人に紹介せねばならず人間関係も崩壊するというおそろしいイメージがあったので、その人とは早々に縁を切る決断ができたのだが。

体目当ての男性、ネットワークビジネスの勧誘……動機が何であれ、そこでコミュニケーションが生まれると信じているエリカさん。
9月1日(木)公開予定の試し読み後編では、常に彼氏が途絶えないエリカさんの最近の恋愛事情が明かされます。

本日より、電子オリジナル書籍として配信開始!

集英社 価格 1,100円(10%税込)
集英社 価格 1,100円(10%税込)

嘘をつけない、空気を読めない、移り気、言われたことをそのまま信じてしまう……。
発達障害の特性によって、恋愛というクローズドな関係性において問題を抱えてしまう女性たち。
セフレ、二股、ヒモ、ホス狂い……彼女たちが「ダメ恋」にはまってしまうのはなぜなのか。
一見「モテ」ている彼女たちが直面している、セクハラ、モラハラ、DV被害の数々が明らかに。
『私たちは生きづらさを抱えている』『発達障害グレーゾーン』などの著書があり、自身も発達障害当事者のライター・姫野桂さんが、10人の発達障害女性の恋愛事情に迫ったよみタイの人気連載が、電子オリジナル書籍として配信開始!

『ダメ恋やめられる!? 発達障害女子の愛と性』の詳細はこちらから

※本作は電子書籍のみでお読みいただける電子オリジナル作品です。

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新刊紹介

姫野桂

ひめの・けい
フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)、『生きづらさにまみれて』(晶文社)がある。

Twitter @himeno_kei

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