2020.11.15
「初めての喧嘩でもうダメでした」 川村エミコが30代の恋愛を振り返る
今回はその中から「30代の恋愛」について語ったエピソードをお届けします。
「初めての喧嘩でもうダメでした」という、切ない大人の恋の顚末とは……。
*書籍から一部抜粋・再編集しています。
(構成/よみタイ編集部)
川村エミコの30代の恋愛
30代の恋愛を振り返ってみたいと思います。
男性に会った時、聞かれます。「なんで前の彼氏と別れたの?」
100%聞かれます。男性はこれで何をチェックしているのでしょうか?
というか、その聞いてくれた男性にこちらが多少なりとも興味がある場合、なんて答えるのがベストなのでしょうか?
なぜ別れたのか……一言で言えば、「彼の愛が冷めたから。」になると思います。彼の愛が冷めるに至ったきっかけを振り返ってみたいと思います。
付き合い始めてから、思ったことをずっと言えずに9ヶ月経った、5月の爽やかな風が吹くある夜。
勇気を出して全てを伝えたら、「さ、さ、さ、さ、さ」と音を立てて彼の気持ちが引いていくのが分かりました。
本当は「あ。今、さ、さ、さ、さ、さって引いていったでしょ!」と言えれば良かった。
でも、言えなかった。
彼は、自分がかわいいと思うものを相手にもかわいい!と言って欲しい人でした。私は、それを感じてしまってから、自分が良いと思うことを言えずにいました。
ある日、彼は私に合鍵を用意してくれました。その時、まさか鍵を用意してくれているとは思わず、ガチャガチャのおもちゃが入っているようなビニールの擦れる音が聞こえたので、「ゴミ?」とゴミでも捨てるのかと聞きました。
このことを私は楽しかった思い出として処理していたのですが、彼の中では少し違ったのか、家に帰った時や車のドアを開ける時、テレビの中でのゲームの「カギ」の言葉だったり、果ては「限りないね。(カギりないね)。」と会話で「カギ」という言葉が出てきただけで、【私が合鍵をゴミと間違えたこと】を彼は言ってきました。
「ほら、ゴミで家開けて!」とか、「カギとゴミは違うからね。」とか、彼の中では【せっかく俺が用意した合鍵を彼女がゴミと間違えたこと】として認識していたんだと思います。
チクチクと言ってくる感じが、楽しくて言っているようには全く聞こえずだったのですが、思ったことを言えなかった私は、やり過ごす対応をしていました。
基本全部、ギャルのように答えていました。ギャルの人に「それはギャルじゃない!」と言われそうですが、右手の平を見せるようにおでこに当てながら、「なにそれウケる〜‼」と言って対応していました。「あ、ゴミで開けまーす!笑笑」とか足しながら……。
でも、好きだったらそんなのも楽しめたのかも、とは思います。
彼からは毎日、LINEが送られてきました。彼はマメな人でした。(ステキ過ぎる!)
でも、私は気にしぃなタイプなので、仕事中で自分が返信できないことがストレスでした。
洋服についても言われました。
「そういうの着ないで欲しい。」と。
すごいお気に入りの服だったのですが、嫌だったのでしょうね。
「こういうの着て欲しい!」と言われたのは、あるブランドの白いサラッとしたパンツ。所謂、コンサバ系です。ビックリしましたし、「似合う訳ないわい!」とまず思いましたが、そこは呑み込み。「ここはかわいくだな!」と思ったもんで、私の中の最大限の【軽さを忘れない茶目っ気】で「えー、じゃあ買ってよ〜。」と言ってみましたが、スルーされました。
そんなのも楽しめば良いと思っていたので、会う度に「今日はお洋服、どうでしょうか?」と聞いていたのですが、やっぱり自分の望む服装をして欲しかった彼はきっと楽しくなかったのだろうなぁと思います。