2020.11.2
『漫画家しながらツアーナースしています』ダブル重版! 糖尿病の女の子の「当たり前を君に」から考えたいこと
単行本第1弾『漫画家しながらツアーナースしています。1』と、第2弾『漫画家しながらツアーナースしています。こどもの病気別“役立ち”セレクション』が好評につき11月2日に2巻同時重版出来!
それを記念して今日と明日の2日連続で特別企画を配信! 2冊の単行本それぞれから各1話ずつ、著者の明先生が「いまこそ読んでほしい」と厳選した回を、その選んだ理由や重版に関する特別コメントとともに掲載します。明日もお楽しみに!
(構成/よみタイ編集部)
「当たり前を君に」を明先生が選んだ理由は?
このお話は、ある糖尿病の女の子のお話です。糖尿病の彼女は、食事の前にインスリン注射を打つ必要があります。また、血糖値が下がれば命の危険にさらされるため、ブドウ糖やアメなどを常に持ち歩いています。けれど、クラスの中には、それを「怖い」「あの子だけお菓子を持ってくるのはズルい」という子たちもいます。そのため彼女は病気のことを周囲に隠すようになりました。
病気に限らず、「知らない」や「思い込み」で敬遠したり、恐怖を抱いたりすることって、たくさんあると思います。私自身、自分がよく知らない相手には緊張するし、知らない場所へ行くのはドキドキします。「あの人は怖い人だ」という思い込みで敬遠した人たちもいます。でも知ることで、「そういうものなんだ」「怖くないんだ」ということがたくさんありました。
一巻に収録された描きおろし『みんなちがってみんないい』では、注意欠如・多動症(ADHD)の男の子が登場します。これまで宿泊行事で同行したクラスにも、同じくADHDの子はいました。時にクラスの足並みを乱してしまう彼らに、イライラする子、けんかになる子、かかわらないようにと敬遠する子、いろんな子がいました。でも『みんなちがってみんないい』のクラスでは、子どもたちは「知ること」で「そういう子」「ちがいの一つ」として受け入れていました。
「知って」もなお、怖いという感情や、敬遠する気持ちが残ることももちろんあります。それでも、「知ること」その一歩が、「みんなちがってみんないい」の初めの一歩であり、「当たり前を君に」届けるための一歩なのかなと思い、描かせていただきました。
「みんなちがってみんないい」それが当たり前な世界って、素敵じゃありませんか?