2020.10.5
【特別対談】人気占い師・しいたけ.さんに訊く! 川村エミコの「運命の人」
言葉を養分にして生きる「茶色」と「紫」のタイプ
しいたけ. 川村さんをカラーで見ると、茶色が強い。あとは紫。この2色、特に茶色は、他人がかけてくれた言葉を養分にしていくタイプです。
川村 まさに「土」なんですね。
しいたけ. そう。ただ、人間の発する言葉には温度があるので、土の人は心のこもっていない言葉をかけられた時にパニックになりやすいです。言葉の意図を考えすぎて、返事のタイミングを逃してしまうことがあるのは、茶色の人の特徴です。
川村 相手の言葉の意味や意図は、すごく考えてしまいます。「おはよう」という言葉ひとつでも、「(ブスのくせに)おはよう」って言ったな、とか。
この間も、ヨシミさんっていう仲良しのお友達から「ありがとう」って書かれたハンカチをもらったんですけど、「私の“ありがとう”が足りないってこと?」って思って、ヨシミさんにそう聞いたら「違うよ、いつもありがとうってことだよ!」って笑われました。私は「もっと“ありがとう”に気をつけなさい」っていう意味かと思ってしまって。いつもダメなところを指摘されていると思っちゃうんですよね。
しいたけ. 茶色の人は言葉の温度を吸収して生きていて、究極の受け身体制。だから、自分でできることとしては、お風呂に入ってじーんとするような感覚で、「今日もお疲れ様」と自分に声をかけてあげると良いと思います。
川村 私にいい言葉をくれる人、向上できる人としか会いたくないっていうのはありますね。この人と会っても無駄だと思ったら、その時間に本でも読んでいた方がいいからもう会わない。相手にとってもその方がいいと思うし。
昔は、ディズニーランドに行ったりするのも「この並んでいる時間は今後の人生の何になるのか!」と考えちゃって楽しめなかったんです。
でも、大人になってから「遊ぶこと」の楽しさがわかってきました。大学で演劇研究会に入って、無駄だと思うことが面白いことにつながったり、興味のないことも追求してみることで、新しい自分に出会えることがわかってきたから。大人になってようやく「遊び最高だぜ」と思えるようになりました。
しいたけ. 芸人さんって、どこかで温度0度の自分の気持ちを持っていないと生きられないと思うんです。どんな悪意や攻撃性の強い言葉も瞬時に打ち返すためには、心を凍らせて、硬直させないといけない。
川村 ブスいじりについては、悪意と思ったことはなくて。心と心でつながりたい、っていう思いがすごくあるから、むしろ本当のこと言ってくれてありがとう!ですよ。
いじめとかいじりって、受け取り方の問題とか言われることもあるけど、やっぱり言う側の心が大事。「そこに愛はあるのかい!?」ってことですよ。
舞台の上とかで、思ってもいないくせに「かわいい」とか言ってくる人の方が悪意を感じますね。悪意を持ってそっちが言い出したんだから、この場が微妙な空気になったことの責任取れよと思ってました(笑)。
しいたけ. 茶色と紫は究極の受け身で、繊細です。茶色は言葉にならない気配も感じ取ってしまう。紫は、「全部受け止めて、鍛えて強くなってやる」というところがあります。
エッセイに書かれているエピソードも、小学生時代くらいまでの川村さんは茶色なんですが、だんだん紫の要素が出てくる。
紫になり始めたとき、漫画『ちびまる子ちゃん』に通じるものがあると感じました。多くの少女漫画って、自分が主人公になって世界に入り込むんだけど、『ちびまる子ちゃん』は俯瞰ですよね。女の子の世界のシビアさを客観視しつつ、「この場面を吸収して武器にしてやろう」というコンチクショウ精神も描かれています。
川村さんのエッセイは、『ちびまる子ちゃん』の続きを読むような楽しさがありました。
川村 そう言われてびっくりしてます。実は、初めて『ちびまる子ちゃん』を読んだとき、「これは私のことだ!」「さくらももこ先生に私の生活が覗かれている!」と思ったんです。
実際、おさげの友達とよく一緒にいたこともあって「まるちゃんに似てる」なんて言われていました。主人公感出すのは私らしくないかと思って、このエピソードは今まで隠してたんですけどね、自分のキャラクター的に(笑)。