射手座の「ヤンキー気質」

しいたけ.　芸人さんの世界って独特で、恥じらいとか、何かを捨てて笑いをとって、ある意味とても鋼鉄の心臓でなければできない仕事ですよね。
　先輩の芸人さんから「〇〇すべき」というようなアドバイスを受ける機会も多かったんじゃないかと思うのですが、これまでそういった「アドバイスハラスメント」のようなものは、どのように回避してきたんですか。

川村　根が真面目だから、台本にあればその通りにやります。それでお笑いとして成立すればいいし、そのためには、自分のことはわりとどうでもいい。
　でも言える時には自分の考えを言います。例えば「恋愛と仕事どっちが大事？」みたいな質問が来た時に、「その質問自体がナイです。どっちも大事です」とはっきり言ったり。よかれと思って言ってこられる「男性に好かれるには」理論みたいなのにはイラっとしますね。あとは、自分の思ったことはいつも日記に書いたりとか……。
　自分の外の世界を無理に変えようとするんじゃなくて、自分の中に確かな「イエス」があれば、それでいいと思っていて。

しいたけ.　それは素晴らしいことですね。

川村　前に、別れた彼氏の写真を捨てるべきだと言われて、シュレッダーにかけてしまったことがあったのですが……。本当は捨てたくないと思っていたから、すごく悲しかったです。一般的には過去の恋愛相手のものなんて処分するべき、という考えがあるのかもしれないけど、私の中では毎回、最後の恋愛かもしれないと思っているし、おばあちゃんになって、思い出として見返したりしたかったから。

しいたけ.　射手座はちょっと「ヤンキー気質」なところがあるんですよね。「ここで舐められたらいけない」とか。その写真のエピソードも「ここで断ったら負け」みたいな気持ちがありませんでしたか。

川村　わかります！　ここで頑張らないといけないから、私の意見はとりあえず一歩引いておかないと、と思うことはありますね。振り返ると細かい状況まで全部思い出していくらでも恨み節を書けるのですが。

しいたけ.　12星座を見ていて、それぞれに良いところがあるのですが、僕にとって射手座の好きなところって、テンションのオンとオフが激しいところなんです。オフがゼロじゃなくてマイナスになっちゃう。
　一番いいものを出したいとか、求められるものを100以上出したいから、明日も忙しいけど全力で頑張っちゃうという面がある一方で、「もうどうでもいいや」と一気にマイナスになってしまうこともある。
　でもこの「どうでもいいや」の時に、それまで気を張っていた鎧が溶けて、そのタイミングで宝物に出会うような、いい選択をすることがある。ポンコツなこともありますけどね。
　あと、射手座は「故郷に錦を飾りたい」みたいなところもある。親や地元の友達とのつながりを大事にしていたり。そこもヤンキー気質と言えばそうですよね。

川村　手の届く人たちを大事にしたい、彼らがハッピーであればいいというのはありますね。お父さんとお母さんを悲しませたり困らせたりすることはしたくない、というのが生き方の根本にある。それがヤンキーっぽいといえばそうなのかな。