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10月5日発売! 寿木けい最新刊『土を編む日々』から作る、普段の献立

サラダ、リゾット、ステーキのミニマムなコース

『土を編む日々』に掲載されている3つのレシピ、〈トマトを慕うサラダ〉〈カリフラワー と八角のリゾット〉〈れんこんのステーキ〉を組みわせてコース風にしました。

 〈トマトを慕うサラダ〉は、湯むきしたトマトを中央に配し、旬の食材や冷蔵庫にあるもので取り囲む自由なサラダです。ドレッシングは使わず、アンチョビフィレやチーズの塩気と一緒に野菜そのものの味わいを楽しみます。まん丸のトマトにナイフで切り込む大胆な感触も含めて、このサラダのおいしさです。この日は青唐辛子も添えました。チーズやアンチョビの合間にかじると、ピリッと爽快なスパイスになりました。
 切ったり、かじったり、つまんだり、何かと忙しいサラダですから、会話をしながら時間をかけて食べることにもつながり、じつはダイエットにもすごく良いんですよね。

湯むきしたトマトの皮も食べるのが、このレシピの大事なポイント。チーズは2種類。ミモレットとパルミジャーノ・レッジャーノ。
湯むきしたトマトの皮も食べるのが、このレシピの大事なポイント。チーズは2種類。ミモレットとパルミジャーノ・レッジャーノ。

 冬の頁に登場する〈カリフラワーと八角のリゾット〉は、手で割いたカリフラワーのほこほこした舌触りをお米の粘りとともに味わう一品です。調味料はオリーブオイル、八角、塩だけです。

仕上げにフルール・ド・セルなど粒の大きな塩を振ります。舌の上で塩みが弾けて、野菜の甘さを引き立てます。
仕上げにフルール・ド・セルなど粒の大きな塩を振ります。舌の上で塩みが弾けて、野菜の甘さを引き立てます。

 ちらし寿司やおせち料理以外にも、れんこんを主役にしたいと思って考えたのが、〈れんこんのステーキ〉です。食べた人はみんな口を揃えて「れんこんってこんなにおいしかったんだ!」と驚くんですよね。この日は、皮付きの鶏もも肉、椎茸と舞茸も焼いて、ボリュームあるメイン料理にしました。
 フライパンに鶏もも肉(塩胡椒をすり込む)を皮面を下にして焼き、皿などで重石をして、カリカリになるまで焼き色をつけます。ひっくり返して、火が通るまで焼いたら、アルミホイルに包んで休ませておきます。
 同じフライパンにれんこんと椎茸、舞茸を並べ、鶏の旨味をまとわせつつじっくり火を通します。にんにく、塩胡椒、アンチョビ・フィレで味付けをしています。
 写真の大皿は、沖縄在住の器作家・仲村まさひろのイッチン。どんな料理も受け止める、懐の深い器です。『土を編む日々』では仲村さんとの出会いについても書いています。 

奥村忍さんが店主を務める「みんげい おくむら」にて購入した八寸のイッチン。『土を編む日々』では夏の頁に登場。天ぷらを盛っています。
奥村忍さんが店主を務める「みんげい おくむら」にて購入した八寸のイッチン。『土を編む日々』では夏の頁に登場。天ぷらを盛っています。

『土を編む日々』ではほかにも、一品で野菜とタンパク質がとれるワンタンや、これからの季節に作りたい白菜鍋、柚子とバターをふんだんに使ったパスタなど、その季節にしか味わえないレシピを紹介しています。
 今週末は何を作ろうかなと、楽しみに手元に置いていただけるとうれしいです。台所にどんどん季節を迎え入れてくださいね。 

『土を編む日々』好評発売中!

寿木けいさんの季節をめぐるエッセイと春夏秋冬の野菜料理レシピを1冊にまとめた書籍『土を編む日々』が、発売されました!
寿木けいさんの書き下ろしや、カメラマン・砺波周平さんによる料理写真もたっぷりと掲載。
端正な装丁は「白い立体」さんによるものです。
エッセイの世界に浸ったり、雰囲気のある写真をじっくりと堪能したり、レシピを参考に料理を楽しんだり……。
さまざまな楽しみ方ができる1冊となっています。
ぜひ、お手元にどうぞ!

書籍の詳細はこちらから

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寿木けい

すずき・けい●富山県生まれ。早稲田大学卒業後、出版社で雑誌の編集者として働きつつ、執筆活動をはじめる。出版社退社後、暮らしや女性の生き方に関する連載を持つ。
2010年からTwitterで「きょうの140字ごはん」(@140words_recipe)を発信。フォロワーは現時点で12万人以上。現在、東京都内で夫と二人の子どもと暮らす。
著書にロングセラー『いつものごはんは、きほんの10品あればいい』、エッセイ集『閨と厨』『泣いてちゃごはんに遅れるよ』、版を重ねている文庫版『わたしのごちそう365 レシピとよぶほどのものでもない』(河出書房新社)があり、いずれも話題となっている。

寿木けい公式サイト
https://www.keisuzuki.info/

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