よみタイ

竹内佐千子と三人の担当編集者――『沼の中で不惑を迎えます。』刊行記念座談会

大好評発売中の竹内佐千子さん新刊『沼の中で不惑を迎えます。輝くな!アラフォーおっかけレズビアン!』お手に取っていただけましたでしょうか。
デビューからコミックエッセイを描き続けてこられた竹内さんの、現時点での集大成となる本作を、長年の担当編集者たちはどう読んだのか……?
漫画家・竹内佐千子をよく知る担当編集者が集まり、竹内作品の魅力や、著者の人柄をあーだこーだと語り合う場をもうけました。
ここでしか読めない裏話満載! 
どうぞ脱力して、お時間に余裕のある時にお楽しみください。

(構成/よみタイ編集部 撮影/齋藤晴香)

左から、『赤ちゃん本部長』担当の講談社・A達、真ん中が『イケメン』シリーズ担当のぶんか社・M田、右が『沼』担当の集英社・エイチ。
左から、『赤ちゃん本部長』担当の講談社・A達、真ん中が『イケメン』シリーズ担当のぶんか社・M田、右が『沼』担当の集英社・エイチ。

『大豆田とわ子と三人の元夫』はいいドラマ

M田 どうしてこんなことになっているのでしょうか。

A達 すごいシュールな絵ですね……我々はお面を被っているわけですが、それが竹内さんの手作りだという。

エイチ 今日はお集りいただきましてありがとうございます。この企画は、遡ると6月頃になるのですが、『沼の中で不惑を迎えます。』(以下、『沼』)の単行本作業をやっていた時に、私がたまたま『大豆田とわ子と三人の元夫』というドラマを観ておりまして、竹内さんにその話をしたんですよ。でも竹内さんはテレビを観ないので、全然ピンとこなくて……。内容の説明をする時に、「たとえるなら、私とM田さんとA達さんが、竹内さんがいない場所で竹内さんのことをあーだこーだと言っているような状況で……」とお話ししたら、その状況がいたくお気に召したみたいで、ぜひその企画が見てみたいと。なんなら単行本が発売になることより、そっちのほうが楽しみだと仰って、やらざるを得ない流れになってしまいました。今日はよろしくお願いいたします。

A達 大豆田とわ子、面白かったですよね。

エイチ そうですね、普通は元夫や、元妻が三人集まったら、元配偶者の悪口大会になりそうなものですが、そうならないのが絶妙なドラマで。

M田 「竹内佐千子と三人の担当編集者」っていいタイトルですね……。でも、私たちは「元」じゃないですからね、「現」ですから。お話しできることがどれくらいあるか不安ですが、頑張ります。

ウソみたいだろ……お面なんだぜ、これ……。竹内さんの手作りなんだぜ……。
ウソみたいだろ……お面なんだぜ、これ……。竹内さんの手作りなんだぜ……。

なぜか担当編集同士を会わせたがる竹内佐千子

M田 私はぶんか社で『ブラブラ珍所~イケメンに会いたくて~』(2015年刊)から続く、いわゆる「イケメンシリーズ」(以下『イケメン』)のエッセイを担当しています。2012年に連載が始まっているので、竹内さんの担当はもう10年くらいになりますかね。

A達 私は講談社で『2DK』と『赤ちゃん本部長』の担当をしていました。竹内さんとは、EXOがデビューした時に知り合っているので、2012年からです。

エイチ 覚え方がすごいですね(笑)。お二人は面識がおありだと聞いております。

M田 A達さんと初めて会ったのはずいぶん前ですよね。仕事の場ではなかったことだけは覚えていて……どこでしたか?

A達 たぶん東方神起のライブだった気がします。東京ドームだったような。

エイチ 竹内担当はみんな東方神起のライブに行くのですね! 私もA達さんとは、2019年の東方神起のライブでお会いしました。そこで、少し話しただけなのに、「エイチさんはオタに向いてない。やばみがすごい」と言われて。A達さんの人を見る目の鋭さに慄きました。

A達 そんなこと言いましたか(笑)。竹内さんの担当者って、なぜか全員知り合いになるんですよね。みんなライブの後で一回くらいは一緒にご飯を食べている気がします。

M田 私も竹内さんには東方神起のライブ、母親の分までチケットを取ってもらったことがあって。東方神起は、親世代もすごくファンが多いじゃないですか。一回くらい見せてあげたいなと思っていたら、竹内さんが「どうぞ」って。

エイチ すごいですね、ブローカーみたいになってますね(笑)。私はM田さんとは今日が初対面なんですが、全然初めて会った気がしないです。これは『イケメン』の読者もそうだと思うんですが、M田さんの人生をずっと見続けている感があって……。

M田 そうですね。『イケメン』は『本当にあった笑える話』(ぶんか社より毎月30日発売の月刊誌)に連載中なんですけど、読者投稿で、「この間、靖国神社の近くを歩いていましたね」というものがあって。いや、歩いていないんですけど(笑)。

A達 怖い! なんでM田さんだと……。

M田 このお面みたいな顔の人が歩いていたんでしょうね。

竹内さんの同人誌にも登場。ファンにもすっかりおなじみのM田さん。(©竹内佐千子)
竹内さんの同人誌にも登場。ファンにもすっかりおなじみのM田さん。(©竹内佐千子)
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新刊紹介

竹内佐千子

たけうち・さちこ●漫画家。おっかけ対象が男子で恋愛対象が女子のレズビアン。
自身の恋愛体験を描いたコミックエッセイをはじめ、おっかけ、腐女子、などをテーマにしたコミックエッセイを描き続け、最近はストーリー漫画も描いている。
赤ちゃん本部長』(講談社)、『これからは、イケメンのことだけ考えて生きていく。』(ぶんか社)など。
ホームページhttp://takeuchisachiko.jp/
Twitter @takeuchisachiko

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