2021.6.26
「男性には、超えたらあかん性的『一線』がわかりづらい」南和行さん×三輪記子さん 男女のトラブル法律対談
セックスについて話し合う機会がない
南 夫婦間でも性のすれ違いや強要に悩んでいる方って、たくさんいらっしゃいますよね。避妊をしてくれないとか。
僕は今回の『夫婦をやめたい』では、「嫌なことは嫌だと言っていいんだ」ということは伝えたいなと思ったんですよ。本の中にもセックスを無理にされる女性や、夫にセックスを拒否されて悩む女性が登場するのですが、結婚している以上、何だかよく分からないけど、我慢しなきゃいけないと思い込んでしまっている人が多い。でも、必ずしもそうじゃなくて、あれっ違うと思ったり、何か嫌だって思ったりしたら夫婦関係からの離脱を考えてもいいし、もし離婚に至らなくても別の観点から安全を確保する道があってもいいんだよって伝えたいなと。
南 特に日本って不倫をものすごくバッシングされるから、ますます性行為は家庭内だけでってなっていきがちだと思うんですよね。これだけ外でセックスしたら極悪人のように言われる社会だから、家庭でしかできないやんみたいな話になるわけですけど、じゃあ家庭だったらいやが応でも絶対受け入れなあかんのか、と。
三輪 恋人同士でもそうなんですけど、夫婦間のセックスの話って普段あんまり話題にしないと思うんですよね。結婚して子供を産んだら妻を抱けなくなったとか、子供を産んだら夫とセックスしたくなくなったとか、よく聞くけど、本人同士でちゃんと話し合う機会ってあまりない。
私も子供を産んで本当に痛感したんですけど、産後ってめちゃくちゃつらくて、そんなすぐまたセックスしようかってならへんわけですよ。そういう経験した女性は分かっているけど、女性でも個人差がありますし、男性はもっと知らないわけです。私も自分が出産するまで知らなかったから。妊娠出産や精神的なものも含めて女性の体を知らないから起こるトラブルも多いと思います。
南 だからこの本をきっかけに、夫婦の中のセックスというのをちゃんと考えてもらえたらとも思います。
(後編に続く)
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コロナ後に浮き彫りになる夫婦の溝、モラハラ夫に翻弄される妻、夫婦別姓と事実婚、同性カップルの別離、虐待家庭育ちの妻、セックスレスの先の不倫、うつ病夫とキャリア妻、子供が成長するまで先延ばしにする夫婦関係……。
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