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「男性には、超えたらあかん性的『一線』がわかりづらい」南和行さん×三輪記子さん 男女のトラブル法律対談

6月25日に弁護士・南和行さんの新刊『夫婦をやめたい 離婚する妻、離婚はしない妻』が発売されました。「離婚する・しない」解決の道筋を、様々な夫婦の想定パターンをもとに法律的見地から詳細解説した1冊です。
この刊行を記念して、著者の南さんと、『これだけは知っておきたい男女トラブル解消法』(海竜社)の著者で弁護士の三輪記子さんとの“弁護士対談”が実現しました!
共に関西出身の現役弁護士であり、執筆業やタレントなど幅広く活動し、友人としても日頃から親交の深いお二人。
セクハラ、セックス、不倫……男女のトラブルのエトセトラについて、法律家の観点からたっぷりと語っていただきました。
ところどころに関西弁が混じる、性と法の赤裸々トーク、前後編2回に分けてお届けします!

(イラスト/上田惣子、構成/「よみタイ」編集部)

女性がさらされているリスクを男性は知らない

三輪記子さん(以下、三輪) 『夫婦をやめたい 離婚する妻、離婚はしない妻』の発売おめでとうございます。この作品はフィクションで登場人物にはモデルがいないということですけど、夫婦トラブルの内容や弁護士と相談者のやりとりがすっごくリアルで、「こういう相談よく来るな」と思いながら読みました。弁護士の人は「弁護士あるあるだな」という観点で読めるし、一般読者の方には「弁護士って、こんなこと聞き出しているんだな」みたいな感じで読んでもらえたらいいのかな、と。

南和行さん(以下、南) 「弁護士あるある」って言ってもらえたのはうれしいですね。この本に関して僕の自慢は、本当に全部フィクションで書いたこと。「これ先生、私のことを書きましたよね」って絶対言われません。
もちろん本に出てくる人物の感情は、今まで自分が出会ったいろんな人から受け取ったことの蓄積なんですけど、シチュエーションとか夫婦のトラブル内容は、完全にフィクションなので、それを弁護士さんに「リアルだった」と言ってもらえるとうれしいです。

共に男女トラブルのエキスパートとして活躍する南和行さん(左)と三輪記子さん
共に男女トラブルのエキスパートとして活躍する南和行さん(左)と三輪記子さん

三輪 もっと具体的に印象的だったエピソードについても語りたいんですけど、それを言うことは、私自身のあまり人に話したくないような経験が掘り起こされる感じなんですよ。だから正直、ここが良かったって言いにくい。逆に言えば、それだけ人が普通は触れられたくないようなことが、いろんなパターンでとてもリアルに書いてあるということで、そこがこの本の面白さだと思います。

 それを言うたら三輪先生が書かれた『これだけは知っておきたい男女トラブル解消法』もすごい。「女の子のための」とか性別でくくるのはあまりよくないですがあえて言いますけど、この本は「女の子のバイブルだ」って本当に思ったんですよ。

南さんの新刊『夫婦をやめたい 離婚する妻、離婚はしない妻』(集英社)と三輪さんの『これだけは知っておきたい男女トラブル解消法』(海竜社)
南さんの新刊『夫婦をやめたい 離婚する妻、離婚はしない妻』(集英社)と三輪さんの『これだけは知っておきたい男女トラブル解消法』(海竜社)

 トランス女性(生まれたときの体の特徴から振り分けられた性別は男性であるが今は女性として生活している人)の友人が「女になって生きるようになって何がびっくりしたって、女の人って街を歩くだけで危険がたくさんある」ということを言っているんです。
歩いているだけで知らん人に声かけられるとか、突然体を触られるとかって、男で生きていたらそうそうないことだと。でも女性にとってはごく日常的に起きる危険なんだと。三輪先生の本を読んで、あらためて、日本社会における女性の置かれた状況とか、女であるということで身を守らなあかん危険や罠がたくさんあるということを再認識しました。僕は男なので、そのあたりを全然わかってなかったなと、三輪先生の本を読んで思いました。
帯に書いている「女の子が生きていくときに、覚えてほしい法律のこと」というのはまさにそのとおりで、中学生・高校生の女の子全員に配りたいし、男の子にも配って、あんたらも知っておかなアカンよって言いたいような本だと思いました。

三輪 ありがとうございます。

 特にいいと思ったのは、離婚や恋愛だけじゃなく、「婚約」を独立した章を設けて取り上げていること。見逃されがちだけど、確かに婚約トラブルってすごいあるなと思って。
婚約って、男と女の社会的な立場の違いが実はよく表れる瞬間だと思うんですけど、法律的にはあんまり保護されないケースが多いじゃないですか。結婚したらなかなか離婚できないけど、婚約の段階だったら早くに離脱できても、そこまでペナルティーはないわけですよね。そりゃ、あほみたいに結納金いっぱい払わされたとか、片方の人だけが結婚式場の予約代を高額負担したとかなら別なんですけど、たいていの場合は、「しようがないよね、結婚してないんだから」って、結婚に比べると軽く扱われてしまうところがある。だから、その婚約のリスクについてきちんと章を設けて書かれているところがさすが弁護士さんやと思いました。

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三輪記子

みわ・ふさこ●弁護士
1976年10月24日生まれ。京都府出身。東京大学法学部卒。
立命館大学法科大学院修了。2009年9月、司法試験合格。2010年12月、弁護士登録。以降、京都を拠点に弁護士業に携わる。
2017年9月に東京に拠点を移し(第一東京弁護士会所属)、2021年3月に「三輪記子の法律事務所」を開設。
各種ハラスメント問題や離婚・男女トラブルなどのエキスパートとして活動。
また、報道・情報番組のコメンテーターとしても多数の番組に出演中。
趣味は「法律相談・筋トレ・読書・映画鑑賞」。好きな言葉は「意識が存在を規定するのではなく、存在が意識を規定する」。
・三輪記子の法律事務所
https://www.miwafusako.com/
・三輪記子のTwitter
https://twitter.com/bi_miwa
・三輪記子のInstagram
https://www.instagram.com/fusakodragon/

南和行

みなみ・かずゆき●1976年大阪府生まれ。京都大学農学部卒業、同大学院修士課程修了後、大阪市立大学法科大学院にて法律を学ぶ。2009年弁護士登録(大阪弁護士会、現在まで)。2011年に同性パートナーの弁護士・吉田昌史と結婚式を挙げ、13年に二人で弁護士事務所「なんもり法律事務所」を大阪・南森町に立ち上げる。一般の民事事件のほか、離婚・男女問題や無戸籍問題など家事事件を多く取り扱う。著書に『同性婚―私たち弁護士夫夫です』(祥伝社新書)、『僕たちのカラフルな毎日―弁護士夫夫の波瀾万丈奮闘記』(産業編集センター)がある。
大阪の下町で法律事務所を営む弁護士の男性カップルを追った、本人とパートナー出演のドキュメンタリー映画『愛と法』(監督:戸田ひかる)は、2017年の第30回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門で作品賞を受賞し、2018年全国上映で好評を博す。タレント弁護士として、テレビ番組へのコメンテーター出演やドラマ・映画の監修なども手掛ける。
・なんもり法律事務所
http://www.nanmori-law.jp/
・南和行のTwitter
https://twitter.com/minami_kazuyuki
・南和行のInstagram
https://www.instagram.com/minami_kazuyuki/

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