2021.6.25
「コロナ離婚」は本当にあるのか? 『夫婦をやめたい 離婚する妻、離婚はしない妻』刊行記念! 著者・南和行氏特別寄稿
離婚だけが「コロナ前と同じ」なわけがない
しかも、このコロナ禍を前提とした生活です。離婚を切り出して「じゃぁ離婚しよう」となったら、いつ引っ越すのでしょうか。どちらが出ていくにせよ、このコロナ禍で引っ越し先を落ち着いて探せるのか。それにコロナ禍で子供の学校が急に休みになることもあるのに、今、何を大きく動かせるのか。「うーん……離婚したい……だけど離婚を切り出すのは、コロナが明けてからにしよう……」。
僕はこういうパターンも十分にあると思うのです。コロナ禍になって、本当に生活の形が大きく変わりました。今までは当たり前のように、長期の休みごとには実家に帰省したり、旅行に出かけたりできたのに、それもできなくなりました。職場や学校で年度替わりの前後の歓送迎会でワイワイすることもできなくなりました。何か月に1回の楽しみにしていた、学生時代からの仲良しの友達と、おいしいご飯とお酒で心のデトックスをするのもできなくなりました。
そんな中、離婚だけが「コロナ前と同じ」なわけないじゃないですか。離婚届を出すというのは一瞬ですが、そこを区切り生活は大きくガラっと変わるのです。思うように動けない生活の中で、「ガラっ」と大きく暮らしを動かすのは大変です。コロナ禍の前なら、後先考えずに勢いで「離婚したい」と言えたかもしれないのに、コロナ禍で「離婚したい」を言いそびれ、その結果、離婚についてより考えさせられて、「そうか、離婚って、思っている以上に、物理的に面倒かもしれない」と思い至ってしまい、けっきょく離婚はしなかった。というのが「コロナ禍で離婚は増えていない。だけれどコロナ禍で離婚を考えた人は増えた。そして、考えた結果、離婚はしなかった」という僕の仮説です。
この「よみタイ」で連載していた「離婚さんいらっしゃい」ですが、このたびの単行本化にあたり『夫婦をやめたい 離婚する妻、離婚はしない妻』と、タイトルをリニューアルしました。そして、新作エピソードも2つ書き下ろしました。その一つは、まさに「コロナ禍の今」を描いた物語です。「夫婦をやめたい! 離婚したい!」と頭をよぎったあと、そのとおり離婚する妻もいれば、果たしていろいろ考えて離婚「は」しない妻もいる。
単行本であらためて多くの人に「離婚ってなんだろう」と考えてもらえたらと思います。
「離婚」が頭に浮かんだら……
南和行さんの最新刊『夫婦をやめたい 離婚する妻、離婚はしない妻』は、登場人物の人生ドラマを読みものとして楽しみながら、離婚に至る(あるいは至らない)までのリアルな流れが学べる1冊です。
コロナ後に浮き彫りになる夫婦の溝、モラハラ夫に翻弄される妻、夫婦別姓と事実婚、同性カップルの別離、虐待家庭育ちの妻、セックスレスの先の不倫、うつ病夫とキャリア妻、子供が成長するまで先延ばしにする夫婦関係……。
時間やお金を無駄に使わないため、「離婚する・しない」解決の道筋を、様々な夫婦の想定パターンをもとに現役弁護士が法律的見地から詳細解説しています。
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