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“カメラ小僧”と呼ばないで‼️ レースクイーンを熱烈に応援し続けるファンの愛と驚愕の出費額とは!?

“カメラ小僧”と呼ばないで‼️ レースクイーンを熱烈に応援し続けるファンの愛と驚愕の出費額とは!?

“レースクイーン”の本音や実像、歴史に真摯に迫り、あまり知られていないその実態、歴史、経済事情など多角的に迫るこの不定期連載。
これまでは、80~90年代前半のバブル期、いったん消沈するもミレニアムで返り咲いた第二次黄金期をリポート。前回の5回目は、リーマン・ショックの影響やファンとの距離を縮める作戦に出たアイドルたちの台頭にもめげず、奮闘努力を続けた2010年代初めの女神たちをリポート。第6回は、ひいきのレースクイーンにお金と愛情を惜しみなく注ぎ込み、シャッターを切り続けるファンの“熱狂”に焦点を当てます。
SUPER GT2019「T-DASH JLOC エンジェル」のコスチュームを身にまとった、人気レースクイーンの星野奏さん。日本レースクイーン大賞2018・特別賞受賞。こちらはチーム・コスチューム撮影会での一コマ(写真提供/ZOPさん)
SUPER GT2019「T-DASH JLOC エンジェル」のコスチュームを身にまとった、人気レースクイーンの星野奏さん。日本レースクイーン大賞2018・特別賞受賞。こちらはチーム・コスチューム撮影会での一コマ(写真提供/ZOPさん)

月平均30~40万円!? ひいきのレースクイーンのおっかけにはとてつもない出費が!

カメラ小僧、略して“カメコ”という言葉をごぞんじだろうか?

一般的には、レースクイーンやアイドル、コスプレイヤー、イベントコンパニオンが登場するイベントに自前のカメラを持参し、お気に入りの被写体を撮りまくるアマチュアカメラマンを指す。おおむね、以下のように2つのタイプに分かれるようだ。

一方は、あらゆるイベントに気の向くまま顔を出し、少しでもカメラ魂に刺さった女の子を都度撮る“DD系”(Dare demo Daisuki=誰でも大好きという意)の人たち。

そしてもう一方は、特定の女の子に忠誠を誓うようにして、どこへでもついていき、交流を深める人たち。もはや“カメコ”ではなく、れっきとしたファンである。

ハンドルネーム“滋賀の佐藤さん”。彼は後者だ。ここ3年近く、情熱を傾けているのは、SUPER GT2019で「T-DASH JLOC エンジェル」として活躍中の星野奏さん。レースクイーンでありながら、歯科衛生士もこなす個性派だ。そもそも、彼女にのめり込んだきっかけは、何だったのだろうか。

「10数年前、会社勤めのかたわら、ある程度金銭的な余裕も出てきたので、趣味を探していて。知人のすすめで、カメラをはじめたんです。まず安いカメラを買い、さて、被写体はどうしようかと思ってたところ、撮影会というものがあると知りましてね。そこではじめてレースクイーンの存在を知ったわけです。

しばらくは、特定の子はいなかったので、今でいうDD系でしたね(笑)。ところが、2017年の大阪オートメッセに何とはなしに足を運んだところ、星野さんを見つけて、“この子だ!”と。撮りごたえがあるビジュアルですし、僕たち撮影者に対するサービス精神も旺盛。そこからですね」

すっかり星野さんにハマった佐藤さん。彼女について、いろいろ調べ上げ、登場するイベントに通い始めた。会話も段々と交わすようになり、今年はSUPER GT全戦のほか、星野さんが参加しているSUPER FORMULAというレースのYOKOHAMA promotional models、バイクレースのNCXX Racing、そして撮影会と、ほぼ皆勤賞。当然、かかる費用もシャレにならないと思うのだが……。

「(いま使っている)カメラ本体は30万円ほど。レンズは各種揃えて、周辺機材も含めると200万ぐらいですかね。遠征費用は……滋賀県在住ですから、東京での撮影会となると、参加費と交通費で一回につき約10万円。サーキットに行くとしたら、鈴鹿あたりの近場でも同じくらいですね。これが大分県や宮城県のSUGOだと13万円ぐらいはかかります。彼女は今年、3つのカテゴリーのレースに出てますから、なんだかんだで年間総額400万はいくんじゃないかと(笑)」

星野さんのファンたちは、“星野会”という集まりを結成し、彼女をひたすら応援し続けているという。ふたたび、佐藤さんの話。

「星野会のメンバーたちは、僕とほぼ同時期に彼女と出会ったという人ばかりで。今ではサーキットやイベント、どこに行くのも一緒。一日が終われば、彼女の話題を酒の肴にいろいろと語り合いますね。たとえるなら、プロ野球で応援する球団の試合後に、ファン同士で集まって語り合うみたいな。それに同期会の感覚がプラスされるっていうね。彼女に会いに行くたび、俺らが行かずして誰が行くっていう使命感が強まってます。こんなつながりはなかなかできない。彼女のおかげですよ。この先、星野さんが引退したとしたら、10年ぐらいは、僕は活動をお休みします」

ハンドルネーム・ZOPさんも星野会のメンバーの一人。もともと小学校高学年から電車を撮りはじめ、2000年代以降、並行して女性の被写体も撮影し出したという。

「強めの美形顔が理想なんです。僕も佐藤さんと一緒で、最初に星野さんと出会ったのが2017年の大阪オートメッセ。表情が豊かだし、ご本人は見た目と違って気さくですしね。向こうから話しかけてくれたのが印象的で、あ、ええ子やなぁって。僕のツイッターにも、積極的にからんできてくれて。星野さんとは全然関係ないつぶやきにも、いちいち反応してくれて、義理堅いんですよ。鉄道も好きやけど、車両と会話はできないでしょ(笑)。やっぱり人間対人間やから。撮影する側、される側での波長もあるし。今では綺麗な女性だとか、レースクイーンという立場をこえて、人として星野さんに惚れてますね」

ちなみに、ZOPさんは撮影機材についてトータル40~50万円をかけており、星野さんに会うべく使う月額は平均10万円近くとのこと。やはり、決して安くはない。

“星野会”のメンバーたちほど、星野さん個人に熱狂するわけではなく、かといって、DD系でもないアマチュアカメラマンも存在する。ハンドルネーム・Pさん。彼は“素が垣間見える”モデルにこだわって、サーキットや撮影会に出かけている。

「僕は小さいころからレースが好きで、山ほど出かけてるんです。で、カメラをやり出してからはサーキットのみならず、いろんな業者さんの撮影会に行きましたが、やたら敷居が高いとか、変にプロっぽいのがどうしても苦手で……。レースクイーンの子も、運営サイドも、自然体でたたずんでいるところが好きなんですよ。業者でいえば、ニュータイプ撮影会が今のところベスト。被写体は、今年のSUPER GTでModuloプリティのレースクイーンを務めている日比ゆりちゃんとか面白いです。彼女はいつもナチュラル。個人撮影会での一対一のセッションでも、表情や態度がホント自然なんですよね。撮って楽しい、なおかつ会話して楽しいのなら、そんな人にはめったに出会えない訳だから、出費は惜しみませんよ」

Pさんの場合、サーキットには月1〜2回、撮影会も同様のペースで出向くという。それでも、かかるコストは月額20~30万円ほどになるんだとか。

佐藤さん、ZOPさん、Pさんが共通して言っていたのは、ある程度の一定収入がないと続けるのは無理だということ。余談だが、普段、佐藤さんは一般企業の管理職、ZOPさんは技術系の会社員、Pさんは建築士として働いており、平均年齢は50歳前後。月10万単位のお金が瞬く間に消える。どうしてそこまでお金をつぎ込めるのか。佐藤さんは言う。

「一言で言うのは難しいけど……感情移入というか、人と人とのつながりですよね」

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高橋史門

たかはし・しもん●エディター&ライター。1972年、福島県生まれ。日本大学在学中に、「思想の科学」にてコラムを書きはじめる。卒業後、「Boon」(祥伝社)や「relax」、「POPEYE」(マガジンハウス)などでエディター兼スタイリストとして活動。1990年代のヴィンテージブームを手掛ける。2003年より、「週刊プレイボーイ」や「週刊ヤングジャンプ」のグラビア編集、サッカー専門誌のライターに。現在は、編集記者のかたわら、タレントの育成や俳優の仕事も展開中。主な著作に「松井大輔 D-VISIONS」(集英社)、「井関かおりSTYLE BOOK~5年先まで役立つ着まわし~」(エムオンエンタテインメント※企画・プロデュース)などがある。

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