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1回5分からでもOK! 「読ませない」「止まりながら読む」「意味を補う」…国語の理解力をアップさせる「読み聞かせ」に重要な3つのポイント

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読み聞かせの重要なポイントとは?

ここで読み聞かせの具体的なやり方を紹介します。長時間行う必要はありません。1回5から10分、毎日じゃなくでも大丈夫です。

読み聞かせの具体的なポイントは、「1:読ませない」「2:止まりながら読む」「3:意味を補う」の3つです。

ついつい、「交代で読ませる」「途中で読ませる」「音読させる」をやらせたくなってしまうのですが、読むことに難しさを抱える子どもたちにとって、これはかなりの負担です。全部親が読みます。子どもは、聞くだけ、想像するだけにしましょう。理解に集中できる状態を作ります。
そして、最後まで一気に読まず、1〜2文で止まります。「今のはどういうこと?」「誰の話だった?」「これからどうなるんだろうね?」など、楽しく会話をしながら理解を積み上げます。意味がわからなそうな言葉があれば、その場で軽く説明しましょう。例えば、「工夫ってね、やりやすいように考えてやり方を少し変えることだよ」という感じです。これは語彙を伸ばすことに直結します。もし、咄嗟に説明が出て来なかったら、子ども用の国語辞典をそばに置き、堂々と一緒に調べて話しましょう。
そしてこの時、つい、「今のはどういうこと?」「誰の話だった?」という質問に対する子どもの答えに、「違うでしょ」「ちゃんと考えて」など、正解を求めてしまいたくなるのですが、まずは自発的に考えることに価値をおき、「そう思ったんだね」「いいね、それ」と、否定せず理解させる工夫をしましょう。読み聞かせは、教える時間ではなく、理解できる体験を作る時間にします。

この、「最後まで一気に読まず、1〜2文で止まる」という方法は、実は、「文字を読んで意味が浮かぶけれど、文として理解するのが苦手」な場合の、ワーキングメモリに頼らずに読む工夫としても有効です。ワーキングメモリは、よく脳の中の作業台の大きさに例えられます。作業台が大きければたくさんのものを一度に乗せることができますが、小さいとそれが難しい場合があります。その場合は、最後まで一気に読まず、1〜2文で止まって確認するように、文章を小さく区切ってまとめて、理解しながら進むことが一つの解決策になります。「最後まで一気に読まず、1〜2文で止まる」という方法は、その練習にも最適です。

写真はイメージです。(写真AC)
写真はイメージです。(写真AC)

「読み聞かせ」は特別なことではありません。大切なのは、読ませることではなく、理解できる状態をつくることです。短時間でも、「わかる」「楽しい」という経験を積むことで、子どもの中に、国語の土台が育っていきます。こうして育った語彙力と理解力こそが、子どもの人生の助けとなる国語の原点でもあります。

最近は「動画が楽しくて全然本を読まない」というお話もよくうかがいます。動画は楽しく、今の時代を生きる子どもたちにとっては一番の娯楽なのかもしれません。一方で、自分がどう感じているのか、ゆっくり感じることができる読書も、とても大事です。

もし、一人で読書をせず、読み聞かせを嫌がったら、「謎解き」をしてみましょう。謎解きは、よく読まないとわかりません。よく読んで、一緒に解いてみてください。「こうかな?」「ああかな?」と、たくさん子どもにしゃべらせましょう。「それはないな……」「なぜそうなる?」など、ツッコミどころは満載かもしれませんが、まずはその発想を楽しみましょう。子どもたちのどの考えも絶対に否定しないのがコツです。もしコメントする言葉が見つからなかったら笑顔で見守るだけでかまいません。謎が解けた時の達成感を味わってもらうために、一緒に解きましょう。素敵な笑顔が見えたら、正解です。

安心できる環境で、自由に会話することが、国語ができるようになる一番の近道でもあります。会話は褒める機会を与えてくれます。たくさんの楽しさや笑顔と共に、国語の基礎力を育てることも可能です。いつも応援しています。

 この連載は毎月第1月曜配信。次回は5/4(月)公開予定です。お楽しみに!

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新刊紹介

植木和実

うえき・かづみ●1976年生まれ。不登校専門オンラインプロ家庭教師イエローシードラビー代表。
東京大学大学農学部卒業後、社会人生活を経て、東京大学大学院新領域創成科学研究科修士課程入学。同大大学院博士課程を経て(株)ライフサイエンス社入社。
ダウン症の子どもを出産後、育児を両立する方法として家庭教師の道へ。大学時代からの通算家庭教師歴は20年以上。認定心理士の資格を取得。

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