2026.3.7
松本雄司 自分のことは二の次と思えるほど大事なものができたということへの感謝【実録・メンズノンノモデル 第4回 後編】
第4回は、今年1月1日に京都を代表する酒造メーカーである「黄桜」の代表取締役社長に就任した松本雄司さん。彼は「元メンズノンノモデル」という肩書きを経営者としての今後にどう繋げていこうと考えているのか。前編で語られた新社長としての初心に続き、後編ではそのあたりのビジョンをモデル時代のエピソードを交えながら語ってもらった。
取材・文・撮影/徳原 海
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メンズノンノモデルは勘違いからのスタート

遡ること約13年前。地元の京都を離れ、青山学院大学の経営学部に通う20歳の松本雄司がメンズノンノモデルになったのはある“勘違い”がきっかけだった。
松本 メンズノンノモデルに選ばれたのは2013年、大学3年の頃です。実はその1年ほど前、当時暮らしていた三軒茶屋の街を歩いていたときにたまたまメンズノンノのヘアスタイル企画に出ないかとヘアメイクさんから声をかけていただいたことがありまして。ファッションに疎く、そういったことに慣れていなかった私は舞い上がってしまって「メンズノンノにスカウトされた」と勘違いしてしまったんです(笑)。それで「いけるかもしれない」と思って、友人から教えてもらったメンズノンノモデルのオーディションに応募したのが始まりです。
当時、メンズノンノという雑誌の存在は認識していたものの手に取ったことはなく、服にもいささか無頓着だったという松本。いざ臨んだオーディションでは、そんな自分とはあまりに違った雰囲気をまとう参加者たちの姿に圧倒されたという。
松本 編集部での2次審査のことは、今でも鮮明に覚えています。周りは身長が高くて、オシャレでカッコいい人たちばかり。みんなキラキラして見えて、なんて場違いなところに来てしまったんだろうと。実はオーディション後、「これはもうダメだな」と思って結果を待たずに海外の語学学校への短期留学を決めてしまったんです。だから選ばれたという連絡をいただいたときは本当に驚きましたし、当時の編集部の皆さんには本当にご迷惑をかけてしまいました。
実は松本、他に選ばれた4名とは異なり、美容メーカーの花王とタイアップした「肌男賞」としてメンズノンノモデルに選出されたのだ。端正な顔立ちと持ち前の透明感のある肌が評価されての受賞だった。ちなみに同じ「第28回メンズノンノモデルオーディション」では俳優の成田凌、清原翔らが選出されている。

松本 成田(凌)くんはもう、最初からすごかった(笑)。堂々としていて、会ったその日に「こういう人が将来芸能人として活躍するんだな」と直感的にわかりました。キヨ(清原翔)とは同い年でお互い大学生だったこともあってすぐ打ち解けましたね。一時は「一緒に大学院に行こう」なんていう話もしていましたが、モデルの経験を重ねていくうちにみるみるオーラが出てきた感じがしました。 その後、俳優として売れていく姿を見るのが誇らしかったですね。
メンズノンノモデルとして過ごした3年間は、「とにかく人に恵まれた」という松本。
松本 メンズノンノモデルのメンバーはみんな、純粋でいい人たちでした。栁(俊太郎)くんや坂口(健太郎)くんをはじめ先輩たちもやさしくて真っ直ぐで、何かと声をかけてくれました。ファッションの世界って、気難しかったり一風変わった人が多いのかなと勝手なイメージを持っていたのですが、むしろ編集者の方々のほうがよっぽど破天荒に感じたくらい(笑)。それは冗談として、編集部の皆さんにも本当によくしていただきました。他のみんなとちょっと毛色が違う、ファッションと無縁の世界で生きてきたキャラクターを逆に面白がってくれたのかもしれませんね。

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