2025.12.5
マーク・パンサー 「地方にも東京に負けないくらい面白い人がたくさんいる」【実録・メンズノンノモデル 第1回 後編】
本連載では、そんなメンズノンノの40年の歴史を紐解きながら、かつて専属モデルとして誌面に登場し、その後、様々なフィールドへと羽ばたいていった「メンズノンノモデル」たちの“現在”の姿と声をお届けしていく。
初回は創刊初期から約8年にわたって専属モデルを務めたマーク・パンサーさんが登場。後にMTVジャパンのVJやglobeのメンバーとして飛躍し、近年もDJやアーティスト、さらには健康生活研究家など多岐にわたって活動中の彼にモデル当時のエピソードから近況までたっぷりと前編と後編に分けてお届けする。後半は、メンズノンノモデル卒業後から現在の活動について。前編はこちら。
取材・文/徳原 海 撮影/延命悠大
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コロナ禍でサーフィンと出会い、健康に目覚める
さて、ここからはマーク・パンサーという人物の近況にもフォーカスしていきたい。globe以降はDJやソロアーティストとしての音楽プロジェクトを展開しつつ、アパレルブランドやセレクトショップを手がけたり、大学の客員教授も務めるなど多岐にわたって活動してきた彼だが、人生における重要なターニングポイントになったのが移住、そしてサーフィンとの出会いだ。
マーク 2020年ですね。コロナで仕事が全部なくなっちゃって、経営していたライブハウスも洋服屋も飲食店も全部潰れました。それで鎌倉に引っ越してサーフィンを始めたんですよ。でもそのとき体重が85kgくらいあって、「うわ、全然動けねえな」と。それでメンズノンノ、MTV、globeと、今までの過去の自分を振り返って、がむしゃらに頑張りながら楽しんではきたけど、なんて体に悪い生き方をしていたんだと(笑)。パンデミックによって仕事がなくなって、暴飲暴食くんがはじめて健康の大切さに気づく、みたいな。みんなが苦しんだコロナだったけれど、あそこが自分にとっては一度立ち止まって自分を見つめなおす機会にもなったんです。
50歳にしての「健康への目覚め」は、以降の自身の食生活をあらためるだけでなく、「健康生活研究家」という新たなパーソナリティーにも繋がっていった。
マーク 海に出る日々の中で、ある本と出会い、パレオダイエット(※旧石器時代の人々の食生活を参考にした食事法)というものを知りました。それで、自分なりに工夫しながら食べるものを改善していったら3ヶ月で十数キロ痩せたんです。そうするとサーフィンが本当に楽しくなっただけじゃなくて、山にも入るようになって、目線をもっともっと地球全体に向けるとさらに人生が楽しくなるんじゃないのかなっていう考えになったというか。自然こそが本当の“globe”だなって思ったんです。そういう意味でも不意に夢中になったサーフィンが人生を大きく変えてくれましたね。
食事方法を中心とした健康医学情報をしっかりとしたエビデンスも交えつつ、彼らしくユーモラスに発信しているInstagramアカウント@marcpantherは、今や10万人を超えるフォロワーがいる。時代やフィールドは変わっても、やはりマーク・パンサーの“笑顔”には人を惹きつける不思議な魅力が宿っているのかもしれない。
マーク 利益もないのに、バカみたいに一人で撮って、編集してますよ(笑)。それは冗談として、僕自身がこの年齢になって健康の大切さを痛感しましたし、食生活を変えることで人間は変われるんだということも、身をもって知ることができました。その経験を生かして、いろんな人に楽しみながら健康に目を向けてもらえたらうれしいです。

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