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死者3名、生存者2名。ヒグマによる大惨劇の現場 北海道カムイエクウチカウシ山「八ノ沢カール」【山の名&珍プレイス 第3回前編】

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ヒグマへの細心の注意を払い、いざ八ノ沢カールへ!

 カムエクへ向かうルートは登山口からして、すでにヒグマの気配は濃厚だ。最近僕が歩いたときにはエゾシカの死体が林道に転がり、ヒグマが食おうしたらしき跡が残っていた。森のなかや河原にはところどころに巨大なフンも落ちている。そのときは一昨日に小雨が降ったはずだったが、フンの原型が崩れていないということは、昨日もしくは今日に排泄したばかりだと考えられた。

わりと新鮮なヒグマのフン。日高山脈のヒグマは草食に近く、本来は動物をエサと見て襲うことはほとんどないようだ
わりと新鮮なヒグマのフン。日高山脈のヒグマは草食に近く、本来は動物をエサと見て襲うことはほとんどないようだ
札内川と八ノ沢の出合(合流部)。左が八ノ沢で、“現場”はこの源流部になる
札内川と八ノ沢の出合(合流部)。左が八ノ沢で、“現場”はこの源流部になる
八ノ沢出合はカムエクに登る人のベースキャンプ的な場所。多くの人は初日ここにテントを張り、翌日早朝から山頂を目指す
八ノ沢出合はカムエクに登る人のベースキャンプ的な場所。多くの人は初日ここにテントを張り、翌日早朝から山頂を目指す

 半日ほど歩くと、八ノ沢出合と呼ばれる札内川(本流)と八ノ沢(支流)の合流点にやっと到着する。ここにテントを張って一晩を明かし、翌日に山頂へ向かうのが一般的なカムエクの登山方法だ。そして、八ノ沢出合という名前の通り、この支流をさかのぼったところに事件の現場「八ノ沢カール」が位置しているのであった。
(後編に続く)

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後編(2月1日12時30分公開)に続きます

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高橋庄太郎

たかはし・しょうたろう
山岳/アウトドアライター。1970年宮城県仙台市生まれ。高校の山岳部で山歩きを始め、出版社勤務後の2年間の無職時代には国内外のアウトドア旅へ。その後フリーランスのライターとなり、ウェブメディアや雑誌を中心に執筆活動を続けている。近年はイベントやテレビへの出演も多く、アウトドアギアのプロデュースも手掛けている。著書に『テント泊登山の基本テクニック』(山と渓谷社)、『トレッキング実践学』(ADDIX)、共著に『“無人地帯”の遊び方』(グラフィック社)など多数。

Instagram: @shotarotakahashi
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