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高橋綾子「綾子のギョーカイ総受けグルメ手帖」
「綾子さんに聞けば間違いない!」――美味なレストランも気の利いた手土産もとびきりのお取り寄せも、おいしいものには死ぬほどうるさいギョーカイのみんなが頼りにするのが、フードパブリシスト高橋綾子のグルメ手帖。誰もがうなる美味の数々を惜しげもなく公開します!

食の夢の国へようこそ! 買って食べて作って幸せ 〜グランドフードホール 六本木〜

今、ハマりにハマっている場所がここ、六本木ヒルズのヒルサイドB2Fに今年の9月にオープンした「グランドフードホール」、略して「グラホ」。

あぁ、もうワクワクしてくるでしょう? 何か良いことが起こりそうな予感がするエントランス。

さぁ、入りましょう、食の夢の国へ!

右下にWANTEDの文字が。お店のどこかにオウム、リス、ネコがいるので探してねってこと。
右下にWANTEDの文字が。お店のどこかにオウム、リス、ネコがいるので探してねってこと。

グラホはこんな風になっています。見て! 右下にWANTEDの文字が。そうなんです、お店のどこかにオウム、リス、ネコがいるので探してみてねってこと。

こういう遊びココロが私のココロをガシっと掴むわけです。

デリカテッセンコーナーにはお店の厨房で作る和洋中の一品料理、揚げ物、スープ、サラダがズラリと並びます。

スープはオーダーが入ってから温めてくれますし、サラダのドレッシングは自家製。おいしくて、見た目もきれいで、カラダに良い!
あれもこれも食べたくなり、つい買い過ぎてしまいます。

お隣にはお魚、お肉、ローストビーフやハムなど調理したお肉が並びます。

「生で持ち帰り」「調理してもらい持ち帰る」「お店で食べる」が選べて、調理法も味も「こんなのが食べたい」で、一流シェフが作ってくれます。
ついでに言うとパッケージもおしゃれで、そのままテーブルに出しても問題なし!ってくらい素敵なんです。

グローサリーコーナーにやって来ました。
「グラホ」のバイヤーが全国行脚して出会った、何千何万という商品の中から厳選した100個のアイテムが置いてあります。

だから棚の名前は「1/100 Selected Grocery」。
はっきり言って、全部欲しい!

ひとくち飲んでおいしさにぶったまげ、即購入したトマトジュースです。

トマトを絞っただけって言うからまたビックリ。どんだけおいしいトマトなんだ。
では「グラホ」の社長、岩城紀子さんに答えていただきましょう。

「10年前に北海道の道の駅で何よりもおいしいとお店の人に勧められたのが、この奈井江町、多田農園の多田さんのトマトでした。
そのトマトで作ったこのトマトジュースがあり得ないおいしさで! その場で多田さんをご紹介いただき、直ちに現地に伺いました。
聞くと、多田さんはひとりで20年以上かけて有機肥料のみで畑を作り、完熟して翌日枝から落ちるトマトだけを収穫し、24時間以内にジュースにしているとおっしゃる。トマトが翌日落ちるかどうかは多田さんにしかわからない……すごくないですか? その話にまた感動して専売させて欲しいと頼み込みました」

通常は畑効率を考えて青いトマトを収穫し、赤くなるまで待ってからジュースにするのだそう。だから多田さんの製法は信じられないくらい大変なこと。
おいしいに決まってます。

当時は生産300本が精一杯、ビジネスとしては成立しない数です。
それを岩城さんがすべて買い取ることで、人手を増やし今は5,000本まで作れるようになり、このおいしさを多くの人が味わえる。
本当にありがたい。

「グラホ」にはこんなふうに、全国のおいしくてカラダに良いものだけが揃っています。
なぜこんなことができたのかというと……、

以前、岩城さんは添加物の会社の営業だったそう。研究者が人体に影響を及ぼさない“程度”を研究し、商品化しているのを目の当たりにしてきました。
日本の自給率を考えれば添加物は必要なもの、けれどカラダにとってはできれば摂りたくないもの……添加物の良し悪しを理解した上で、できるだけ摂らない人生を選択したのです。

同時に、某デパートの会長の「これからの食料品売り場には全国の食品を目利きし、仕入れできる“本物のバイヤー”が必要だ」の言葉で奮起、2008年、Smile Circle株式会社を設立しました。

ありがたいことに営業時代のクライアントから仕事の依頼はたくさんあり、買い付けに励むものの、生産量が少ない、後継者がおらず経営的に見通しが立たない、などの理由から、岩城さんが惚れ込んだおいしいものは流通にのせることができなかったことも。だから、志のある生産者がつくる本当においしくてカラダに良い商品だけを集めた店を作ることが岩城さんの夢となったのです。

その夢が叶ったのは、2014年の12月。
素材を選んでその場で調理する「フードホール」と、厳選した商品を集めた「グローサリー」を合わせた岩城さんの理想の店、「グランドフードホール」を芦屋にオープン、芦屋マダムたちを虜にして今年、六本木に2号店を出しました。

岩城さんは今もすべての商品を試食していますが、商品の前情報は絶対に入れない。食べてみてカラダがおいしいと反応したものだけ、現地に赴き、生産者と話してから買い付けするそうです。

“おいしい縁”はそこから繋がっていくもの。

例えばおいしい納豆屋さんがおいしい豆腐屋さんを紹介してくれる……おいしいものの連鎖、訊いているだけでウキウキしてきちゃいます。

半面、その生産過程で行われる加工の仕方や洗浄剤が人体に悪影響を及ぼすことも……というコワイ話もうかがいました。

では、どうすれば良いのか?

それは「グラホ」のような信頼のおける人やお店を見つけること。私たちの信頼を「グラホ」は絶対に裏切らない。

「私を含めグラホのバイヤーが自分たちの足で目で舌で、良い商品を見つけてきます。そして仕入れたからと安心せず、質が落ちていないかを常に確認しています。多分私は誰よりもトマトジュースを飲んでいます。もしグラホのトマトジュースがいちばんじゃないと思ったら、すぐに撤収します。多田さんにもそうお話しています」
と岩城さん。

売る方も真剣だから作る方も真剣、だから買う方は選ぶだけで良い。なんて素敵な関係なんでしょう。

そうそう、魅力的なのは料理や食材だけじゃありません。1950年代のイタリアをイメージしている店内は別世界。

オリジナルのクーラーバッグ(前)やエコバッグ(後)も可愛いでしょ?
お買い物行くのが楽しみになりますよね。

ギフトラッピングもセンス抜群。
特別なラッピングマシンでどんな形にも対応できる。

もう、何もかもが素晴らしくてお店ごと欲しい!

もうひとつ、岩城さんが大切にしていることがある。
それは“継承”すること。

ご存知の通り、銘店すら廃業となる世の中になってしまった。
「多田さんのトマトジュースが軌道にのって、別の仕事をしていた息子さんが後を継ぐことになったのです。継承のお手伝いができたのは非常に嬉しい事ですね」

世界観に心が躍り、買い物を楽しめて、おいしい料理を食べて健康になる。
そして世の中を明るくしてくれる「グラホ」は、まさに食のディズニーランド!

大切な家族を食で幸せにしたい、主婦でもある岩城さんの視点がこの素敵なお店を創っています。

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高橋綾子

たかはし・あやこ●フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレス時代から培った〝食″へのこだわりは、舌の肥えた業界人も頼りにするレベルの高さ。年間1000を超えるという外食の日々が築き上げたおいしいもの好きが嵩じて、ついに2018年2月に東京・下北沢にてレストラン「üchï(うち)」をオープン。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。
Facebook→https://www.facebook.com/ayako.takahashi.1671

uchi→http://uchi.tokyo/

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