2023/7/26
彼女が僕としたセックスは動画の中と完全に同じだった
どうしたら正しいセックスができるのだろう
【推薦コメント】
■支離滅裂な女たちがとても魅力的だ。
──鈴木涼美(作家)
■私小説を書いているということ自体とリンクする私小説。進行形の人間関係を小説として書くことへの葛藤と、そこから現実の方に介入しようとする展開に、SFのような面白さがあった。
──戸田真琴(文筆家・映画監督・元AV女優)
■埃をかぶった性欲や劣情の残骸が雑然と積み重なったゴールデン街の片隅に落ちているそれを、愛と呼ぶのかもしれない。淡々と、凪いだ中で進む「海ちゃん」との物語に潜む緊張感に痺れました。
──外山薫(作家、タワマン文学者)
■寄せては返す研ぎ澄まされた言葉の出し入れに身を委ねる。抱きすくめられる可笑しみやぼんやりとした悩みも素童さんの身体を通すと、こんなにも魅力的に変化するとは。これからの新たな私小説の誕生に立ち会えて幸せだった。
──山本亮(大盛堂書店)
■山下素童は天才である。その文章は露悪的な内容を扱ってもなぜか品を失わず、読み手にセンチメンタルな心地よさを与える。しかし、ゴールデン街はそろそろこの怪物を取り締まるべきだろう。
──佐川恭一(作家)
■覚悟あるみっともなさ。切実に率直に読者=世界との対話を求めているから、許せる。読者を共犯にする力がある。
──ひらりさ(文筆家)
■滑稽な自分から逃げ出すなよと、肩を掴まれるような想いがする。向き合いたくない、目を合わせたくないと固く蓋を閉め、心の奥底に沈めた箱に、山下素童の言葉は真っ直ぐ手をかける。
──木村映里(看護師、作家)
■セックスという密室で、人は誰かに真実を告白し、あるいは時に嘘をつく。普段は服を着て、まるでちゃんとした大人みたいな顔で暮らしている僕たちの愛らしい馬鹿馬鹿しさを、山下くんは淡々と突き付けてくる。
──麻布競馬場(作家、タワマン文学者)
■女の人の部屋のディテール、緻密すぎません? そんな部屋があるなら絶対遊びに行きたいです。
──カツセマサヒコ(作家)
【内容紹介】
風俗通いが趣味だったシステムエンジニアの著者が、ふとしたきっかけで通い始めた新宿ゴールデン街。
老若男女がつどう歴史ある飲み屋街での多様な出会いが、彼の人生を変えてしまう。
ユーモアと思索で心揺さぶる、新世代の私小説。
【目次】
・自序(書き下ろし)
・一言目で「抱いていい?」は人生で初めてのことだった
・二村ヒトシはどうしてキモチワルいのにモテるんだろう
・彼女が僕としたセックスは動画の中と完全に同じだった
・「セックスをする理由がわからないの」とあの子は言った(書き下ろし)
・謝辞(書き下ろし)
【著者プロフィール】
山下素童(やました・しろどう)
1992年生まれ。システムエンジニアを経て、現在は無職。風俗レポを記したブログが注目され、デリヘル嬢の紹介文を統計ソフトで解析した結果をテレビ番組「タモリ倶楽部」でプレゼンし話題になる。2018年『昼休み、またピンクサロンに走り出していた』で作家デビュー。